鮎の塩焼き

天然鮎の食べ比べ会という企画に、ほぼ毎年・・ご指名を頂きまして

会場として参加させて頂いております。

 

その会の時は炭火を熾して、150本超の鮎を、焼きまくります。

 

その時にしみじみ思う事・・・それは、やはり基本は大切だと言う事。

 

スタッフの打った串打ちを補正しつつ、炭火の調整をしながら、焼台を空けないように、次々と火にかけていきます。

 

とにかく、火を空けない。

 

 

これが、焼物のポジションに就いた時の大原則です。

 


さて、もう何度も、何度も、当通信でも書いていますが、

 

『鮎の料理に百珍あれど、塩焼きを以って最高とする』

 

鮎って言う魚は塩焼きが1番旨いよと言うのが、和食の料理界でも常識なわけです。

 

全く、これには異論はなく素材によって定番とされているものには、長い歴史の中で培ってきた技術や理論もありつつ、呼応する感性までも形成されてきた。

 

そんな事も言えるわけです。

 

 

鮎なら塩焼き。

 

ご家庭でも、手軽に焼いてみましょう。

 

魚焼きのグリルが付いていれば、そのグリルで。

 

もし無ければ、テフロン加工のフライパンでもけっこうです。

 

まずは、買って来た鮎に軽く塩を振って、両手で拝むような形でぬめりを取ります。

 

 

香りが落ちる、風味が飛ぶ・・なんて事で、省略する職人もいますが、魚屋で手に入る鮎では、この処理を入れたほうが無難です。

 

 

 

そして水で洗い、水気を拭き取ります。

 

 

化粧塩なんて言って鰭に塩をつけて焦がさないようにする、なんて言う仕事がありますが、

 

実は坐唯杏では、かなり前から廃止しました。 

 

パリっと焼けた鰭が旨い、そう思ったら塩で食べられなくしてしまうのが、もったいなくて。 

 

片栗粉や小麦粉で代用する手もありますが、ばっさりと省略するのが良いようです。 

 

さて、グリルに入れて尾鰭が焦げない位置に鮎の置き場所を調整します。 

 

グリルの中には、必ず火の強い場所、弱い場所があります。 

 

真ん中の両面の火が集中する場所を避けて、尾鰭がくるように焼き始めます。 

 

フライパンなら、油を引かずにそのまま焦げ目を付ける様に、火に掛けます。 

 

強火から若干、中火に近い火。 

 

やや強めの火で、鮎の両面に焦げ目だけをつけてしまいます。 

 

もちろん、中まで火が通りませんから、その後アルミホイルに包んで、蒸し焼きにします。 

 

そして最後に、ホイルを外して表面を乾かすようにパリッと焼き上げたら完成です。 

 

途中で、ホイルに包んだり面倒だと言うのであれば、最初からちょうど良く火が入って

ちょうど良い焦げ目がつく火加減を探ってください。 

 

慎重に、失敗無く焼き上げるなら、焦げ目、火の通り方、仕上げ・・と分けて考えて

一つ一つを、確実にこなしていくのが無理の無い方法です。 

 

さて、鮎の塩焼きの理想的な焼加減。 

 

よく書いていますが、餃子です。 

 

皮目がパリっと焼けてて、中がジューシィに仕上がれば、大成功!! 

 

秋刀魚の塩焼きにも応用が利きますが、実は青魚の塩焼きは、鮎の塩焼きと比べたら

理想の焼加減が異なります。 

 

強めの焦げ目をつけて脂を落とすぐらいに焼き上げないと青魚の焼き物の真の美味しさは

味わえません。 

 

鮎は慎重に、青魚は大胆に。 

 

そんな気持ちで臨んでください。