鮪葱間煮

 さて、マグロの煮物と言う事ですが、この一品は江戸前の料理

でした。


その昔、冷蔵技術や輸送手段が発達していない頃は、腹側の

脂身の所や、皮肌の脂が乗った部分から油焼けして変色して

しまいました。


つまりマグロと言えば赤身を食べるのが一般的でした。


そんな背景があり、刺身で食べられない脂身の所を使って

葱間鍋が発達しました。



葱間鍋は「ネギマ鍋」と読みます。



葱と「間(マ)」はマグロの「マ」です。 

 

だからマグロのネギマ煮と言う言い方は変ですが、最近の

認識では少々変わって来ました。

 

それは、現在マグロの脂身を普通に買えば中トロ・大トロと言う

括りに入りますから、とても鍋には使えません。

 

 

歴史的にはマグロを使うのではなく、千葉あたりで揚がったカジキを

使っていたとする説も有力です。

 

元々の身質ではカジキの方が脂を持っていますから、葱間鍋も

柔軟な発想で、美味しいと思える魚を自由に使って下さい。

 

 

オレンジ色のマカジキ、白い身のメカジキ、他にも銀ダラや

アブラボウズ、ムツ、などなど脂を含む魚なら、何でも良く合いますから。

 

 

さて前置きが長くなりました。

 

 

鍋に仕立てる時は、味醂と醤油、同じ割合に対して出汁を8倍位で

仕立てます。

 

今回は煮物ですから、出汁は6.5倍くらいで仕立てましょう。

 

この6.5と言う数字が煮物やおひたしの時の基本的な倍率です。

 

醤油と味醂は同割、対して出汁を何倍にするかで用途ごとに

使い分けするのが和食の基本でもあります。

 

 

魚は大きめのサイコロに切っておくのが常套手段ですが、

食べやすい大きさで、更に煮崩れしづらい切り身なら形は

問いません。

 

 

鍋野菜としては葱のぶつ切り、芹、青菜、豆腐や麩などが

良く合います。

 

 

この材料を、そのまま煮物に仕立てます。

 

芹や青菜類なら、一度茹でて水に落としきつく絞っておくと最後に

煮汁でさっと温めるだけで良いです。

 

葱は、やはり少し煮汁の中で火を通さないといけません。

 

 

じっくりと柔らかく炊いてしまうよりも、さっくりと火が通った瞬間を

見逃さず、仕上げるのがこの煮物には適しています。

 

 

最後に七味を振ったり、柚子の繊切を添えたりすれば、

グッと煮物感が出てきます。

 

ふた付きの煮物椀に盛り付ければ、さらにグッド。

 

 

 

さっくりと炊いた鮪の脂身、実に美味しいものですが、なかなか

家庭では煮物にする勇気が湧かないかもしれませんね。

 

そう言う時は、缶詰のツナでも良しとして、マグロの出汁で炊いた

葱をじっくりと味わうのが良いかもしれません。

 

肉や魚の旨味で野菜を食べる。

 

健康的な食事だと思います。

 

 

 

 

コメントをお書きください

コメント: 1
  • #1

    zaian (月曜日, 30 11月 2015 20:51)

    今日はお休みなんで、夕方、自宅に帰って何を食べようか・・・
    なんて考えてたら、とても葱が食べたい心境になりました。

    これと言って理由は無いんですが、今の時季の葱も非常に旨そうです。

    真っ白で太い、関東の白葱を最も美味しく食べる手段としてはよく葱間を作ります。

    幸い、練馬区の谷原にはフレッツなんて言う大きな食材屋がありまして近くの飲食店でさえ、仕入先として利用するぐらい、豊富に魚が揃っています。

    まぁ、マグロのカマか血合い付きのアラでも買って、ぶつ切りの葱をさっと炊いて食べたら、今の欲求も満足するかなって言う感じです。

    さて、葱はぶつ切りと言っても、縦に1本、切れ目を入れておきます。

    そうしないと、鉄砲葱なんて言って、炊き立ての熱々葱が中から飛び出して来るんですよね。

    口の中を火傷しないように、切れ目をいれておくのが親切な仕事です。

    また、出汁は鯖やムロ、ウルメなんかの魚!って言う感じの出汁が合いますよね。
    それに蕎麦の返しなんかで味を調えるのが旨いと思いますが、さすがに武内も自宅には、そんなものは揃えていません。

    市販の蕎麦ツユに煮干ぐらいでお茶を濁す事にしますが、それでも煮干が少し加わるだけで、非常に旨く感じますよ。

    ちょっとした手間で、より美味しくなるなら、惜しむ必要はないですよね。

    魚の出汁で炊いた白葱。

    練馬の松澤さんにでも寄って、酒を仕入れて帰りましょうかね(笑

    別館には、よく葱間鍋指定で、ご予約を戴きました。
    懐かしい想い出です。