ふぐ刺身(鉄刺)Ⅱ

 河豚の刺身を「鉄刺」と書いて「てっさ」と呼んだりします。

 

 

物騒な話ですが、それは当たれば死ぬと言うフグの毒の怖さを

鉄砲ともじった命名です。

 

 

とは言え、最近の飲食業界の傾向では、きっちりと除毒して

あれば河豚の免許を持たない者でも扱えるようになりました。

 

 

そして、大抵の場合は「磨き河豚」と呼ばれる、内臓を抜いた

可食部位だけになった物を仕入れます。

 

 

その方が歩留まりが良く、流通している量が豊富なのです。

 

 

 

この磨き河豚に対して、丸のままの河豚を、河豚の種類も加えて「丸トラ」と呼んだりもします。

 

丸のままのトラフグと言う意味です。

 

 

河豚の産地には、少々疑問な部分もあって、千葉あたりで揚がった

トラフグを陸送して、下関で磨き河豚に仕上げれば、下関産トラフグと

なったりします。

 

 

確かに天然物の良い河豚であれば、千葉産だろうが下関産だろうが

旨いに違いは無いのですが、なんだかなぁ・・と言う部分です。

 

 

さて本題の河豚の刺身ですが、これは皆様良くご存知の通り、

薄造りと言う造り方です。

 

 

身を薄く・薄くへぎ造りにして1枚・1枚、皿に並べる造り方です。

 

チリと言う料理があります、チリ鍋、チリ蒸しなどの言葉はよく聞くと

思いますが、この薄造りも、実はチリの1種です。

 

 

薄造りの事を、職人の間では「生チリ」と呼ぶこともあります。

 

 

また薄くへぎ造りにするのですが、河豚の場合は1枚引きと2枚引きと

手法があります。

 

 

一般的なのは1枚引きで、ほぼ全ての職人が、この手法で河豚の

刺身を造ります。

 

 

2枚引きは、1度へぎ造りにした切り身を返してまな板に置き、

その切り身を、もう一度開く様にして造ります。

 

 

手間が倍かかるので、一般的ではなくなった手法ですが、そつのない

造り方で、食べた時の食感は1枚引きよりも優れていると言う職人も

居ます。

 

 

河豚の刺身には基本的な造り方があり、大抵の場合は菊の花を

模して造りますが、2枚引きの時は牡丹を模して造る事が多いのも

特徴です。

 

 

他にも鳳凰や孔雀もありまして、この辺になると、技術に加えて

芸術的なセンスも必要です。

 

 

武内に1番、欠けている部分です(笑

 

 

と言う事で、本日は河豚の刺身についてお伝えしました。

 

 

季節には、是非1度は味わいたい冬の味覚・・・とは言え、

本当に美味しい河豚を食べようと思ったら、なかなかの出費に

なります。

 

 

美味しいものは、お金がかかる。

 

 

技術を習得してきた職人、最高の素材を届けてくれる産地の方、

流通の段階できちっと扱ってくれる仲買い。

 

 

それらの報酬を考えたら、決して高いだけではないと思いますが

いかがでしょう。