鯨紅白造り

 鯨の赤身と、本皮と呼ばれる脂肪の層が付いた皮を一緒に盛り付けた

鯨刺身を、紅白造りと呼びます。


脂肪の層は、真っ白で綺麗な赤身とのコントラストは、実に絵になる

一品です。


しかも、食べても味がある脂肪と赤身の組み合わせが絶妙な相乗効果を

発揮します。



山葵とスライスニンニクが樂旬堂・坐唯杏の定番ですが、優しい辛味の

卸し生姜も、とても調和します。



さて、この鯨肉。


戦後の食糧難の時代から日本人の食生活を支えてきた重要な蛋白源

でした。



鉄分とタンパク質が豊富で、さらにIPA、DHAと言う魚に多く含まれる

脂肪酸が、癌の予防や脳細胞の活性化、アレルギーの抑制などに

効果を発揮します。

 

 

注目されている栄養素としては「バレニン」と言うアミノ酸が、疲労回復に

効果があるとされています。

 

 

北極海から南氷洋と、地球規模で移動する鯨の体力を支えているのは

この栄養素だ、との説が有力なのです。

 

 



また皮目の下にある厚い脂肪の層は、冷たい・冷たい海の中でも

体温を維持するために断熱材の役目を担います。

 

 

白い脂肪の層に、黒い皮が一筋浮かびあがるコントラストは

鯨を象徴する色使いで、この本皮を模して、鯨羹や鯨豆腐などと言う

料理もあります。

 


 


共同船舶と言う会社から連絡が来ました。


この会社は、調査捕鯨を請け負っている会社です。


調査捕鯨の副産物、つまり鯨肉を今回は強気で買い付けました。



もちろん量が少なく、人気の高い食材なので抽選になったり、

振り分けられて希望通りには、なかなか仕入れる事が出来ないのが

通例です。



でも、今回はその中でも70kgあまりの鯨肉を確保できました。



樂旬堂・坐唯杏の場合は、調査捕鯨の副産物と併せて、

アイスランド産のナガスクジラを使ったりしていますが、実は・・



調査捕鯨の鯨は、高価です。



商業捕鯨なら、効率の良い捕鯨が出来るところを、わざわざ乱数表

などに従い、無作為な抽出と言う意味で小型の鯨を獲ったり、


目の前の鯨を見逃すことがあります。



そういう捕鯨ですから、副産物とは言えコストがかかるのです。



とは言え、いくら高価とは言え、ここで鯨食文化を放棄する訳には

いきません。



日本人が縄文時代から、綿々と受け継いできた伝統の文化。



決して我々の世代で消してしまう訳にはいかないと、固く心に誓って

います。