仕入れの妙

先日も、取引先の一軒から急遽、連絡が入りましてアナゴを10kgほど仕入れました。

 

鰻の高騰に引っ張られてアナゴも相場が上がってからというもの、実に仕入れや使い方には苦労します。

 

少しの無駄も、出せない・・・そういう仕入れは、おのずとスタッフや取引先への要求も厳しくなります。

 

10本仕入れるうちに、ハズレが出ると店使いは止めて賄に回すよう指示するのですが、高い仕入れ値だと判断が鈍る。

 

ついつい、そういう判断が甘くなったりします。

 

それがある程度の余裕のある仕入れだと、サイズ別に分けて適材適所、より適した素材を、適した一品に仕上げる事が出来ます。

 

東長崎時代、小さな店の時は、それこそ毎日・・・築地に通い、良いもので半端になったもの、売れ残ったものを拾う仕入れをしていました。

 

仲買も、バカじゃないから絶対に悪いものを、敢えて残すような真似はしません。

 

 

翌日でも売り物になるように、良いものを残し、注文の入ったところへ先出しにします。 

 

だから注文の取引は、見る目をきっちりと持っていないと、毎日・・前日の物を掴まされる事もありえる訳です。 

 

でも、ここは駆け引き。 

 

注文で貰うものには、価格で文句は言わない。

 

 

現在の坐唯杏のように、取引量が増えてしまっては良いものを安くというには無理がありまして。 

 

むしろ、多少は高くついても良いから、しっかりと良いものを豊富に揃える仕入れをします。 

 

だから、坐唯杏には・・・さらに優先的に良いものが集まる様になります。 

 

しかも、長年の付き合い、、小さな店で苦労してやっていた頃からの知り合いですから他のスーパーや、大手のチェーンに出すよりも、むしろ安い時もあると言う事です。

 

 

仕入れ量が少ないと、実は無理が言えません。 

 

これは拾い買いする時も同じで、「残り全部!」みたいな買い方をすると仲買も助かります。 

 

結局は仕入れは独り勝ちをしない事。 

 

こちらも得をして、仲買も得をする妥協点を見出す事です。 

 

幸い、坐唯杏の場合は複数の店からのお取引で、その日の相場情報を的確に掴めます。

  

割引している振りをして、相場通りのものを勧められるときもあります。

 

 これは、仲買も商売なので当たり前です。 

 

割引をしている振りをする時は、仲買もそんなに困ってはいない事が多い。 

 

逆に、割引してでも売りたい時があります。 

 

これは、量的に強気で行きますし、半端な量でもすべてを仕入れる様、こちらも歩み寄る。

 

 

坐唯杏の場合なら、お通しやランチへと使い回しが出来ますから、蟹のお通しや、ふぐ、自家製のイクラでのイクラ丼などは、これで実現します。 

 

 

 

厳しい時には、本当に助けて貰いました。 

 

持ちつ持たれつ・・・が仕入れの基本です。 

 

そして、その中で「妙」を感じさせて貰うとすれば、ここ1番の時に気持ちでぶつかる事です。 

 

確かに駆け引きもありますが、結局は気持ちで付き合うことです。 

 

長い付き合いに、打算や駆け引きを弄するより、気持ちのまま○○に使える最高の素材を○○円以下で入れて貰えないか?

 

 

もうこうなると、交渉とは言えませんが、そこを気持ちで応えてくれる取引先とはこちらも気持ちで応える仕入れが出来る。

 

 

そして、更に長い付き合いに進展してきたのが、今の取引先です。

 

心から、感謝です。