「飽き」の科学Ⅰ


「飽き」は、なかなか難しいテーマですが、和食の味わいは

飽きにくいと言われています。



四季の中で、季節季節によって素材が変われば、仕立て方も

暑い時、寒い時では、全然変わりますから。



季節感の無い外国の料理に比べたら、1年を通じてその時、

その時を存分に楽しめるノウハウが、和食には集約されています。




さらに言えば、和食の少し引いた味付けが、飽きを防ぐと言うのも

重要な要素です。

 

 

旨味の豊富な、濃厚な料理ばかりを食べていると、

先日紹介した様に茶漬けをさらっと食べたくなったり、

粥のあっさりした米の味わいが欲しくなるのが日本人の感性です。

 

 

これは、マウスやラットを使った実験では証明できないそうです。

 

 

さらに日本以外の国では、こう言う感性が無い国民があります。

 

 

動物を使った実験では、旨味が豊富=栄養が豊富になり、生きて

行くための行動選択として豊富な旨味に惹かれると言う事ですが、

 

 

日本人の嗜好で言えば、豊富な旨味の少し手前。

 

 

若干引いた味わいの中に、完成された味わいを見出し、さらに

後を引くと言う感情が生まれます。

 

 

脳の中の美味しいとか、食べたいとか言う反応は、食べた瞬間から

急速に減少します。

 

 

あと少しの所にある味わいを、日本人の感性は補填して、さらに

想像の中で膨らませて食べると言う、食べ手の呼吸があるんです。

 

 

と言う事で、今日のお題は「飽きる」と言う感情なんですが、

旨過ぎる料理には飽きを感じるのも早く、やや控えた味わいに

根強い人気があると言う事も言えます。

 

 

 

この辺が料理人のさじ加減の難しい所かもしれません。