刺身を造る時の考え方



刺身を教える時に、本当に細かい事をごちゃごちゃ伝える前に

必ず、言う事があります。



それは、食べて美味しい切り身を造る技術だという事です。



はは、当たり前のことなんですが、実は食べて美味しいよりも

盛り付けやすい切り身になってたり、切りやすい切り方で造る事を

考えるあまり、本末転倒する事も少なくありません。




とは言え、切りやすい、盛りやすい、は基本から言えば正解でして、

刺身のサクを、ぱっと見たら表裏の、右左で4方向からの切り方を

瞬時に判断して、1番切りやすく、見栄えの良い切り方を選択する。

 

 

 

それは、とても大事な事です。

 

 

 

ですが、たとえば活け締めの、ぷりぷりした身を平造りで厚く造る

職人はいません。

 

 

たとえ、それが1番造りやすく、盛り付けやすい形だとしても、食べた時に

身が厚すぎると、活け締め当日の身では、かえってゴリゴリした食感に

なって、食べられたものではないからです。

 

 

 

これが熟成が進んで、身が締まってくると厚めの造りが、実に旨く

感じます。

 

 

 

身の状態や、そのものの脂の入り方、前後の料理や、合わせるお酒で

ベストな切り身は、その状況ごとに刻々と変わるのです。

 

その状態に合わせて、適切な厚み、幅、長さに切りつけて、しかも

美しい断面に仕上げ、その上で見た目も美しい…というのが、刺身を

造る技術です。

 

 

 

そのために・・・

 

 

 

色々と細かいテクニックやら、約束事があります。

 

 

削ぎ造りをする時は、身の裏から包丁を入れて、皮目で包丁を立て

角を立てながら造る。

 

 

頭のほうから包丁を入れる時は切っ先を右に倒す、尻尾のほうから

包丁を入れる時は切っ先は左・・・などなど。

 

 

これが薄造りなら、表から包丁を入れますが、切っ先の向きは

裏から入れる時と同じ向きにする。

 

 

・・・なんて言うのが、細かい事ですが、大切な約束事です。