鴨出汁・青菜とキノコの田舎煮

 短時間でさっと仕上げる煮物を早煮と呼びます。

 

和食の世界では「アラ煮」なども、早煮と言う括りに入ります。

 

対して、素材の芯までじっくりと煮汁を浸透させて素材の水分と煮汁を交換する炊き方を「含め煮」と言います。

 

そんな基礎知識を頭に入れておいて、この煮物に取り組んでみましょう。

 

まずは、青菜とキノコ、茹でて薄い出汁に漬けておきます。

 

 

吸物よりも若干濃いめ。 

 

味醂と淡口醤油を足した位の味わい、色の付いていないうどん出汁のあっさりした味わいを想像して頂ければ、それで大丈夫です。

 

そして鴨肉は、細切りにでもしておきましょうか。

 

胸肉の上等な肉なら、スライスして置いておきましょう。

 

丁寧に造るなら、湯通しした方がベターです。 

 

さて、その間に出汁を仕立てます。

 

 

 

我々が店で出す鴨出汁ならば鴨のガラで仕立てた鴨スープを鰹出汁で割って使いますが、さすがにご家庭で鴨ガラなどは手に入らないと思います。 

 

とは言え、鴨の肉と言うのは実は余分な脂が沢山ついているんですね。 

 

その脂を、じっくりと炊き込んで出汁に味わいを移します。 

 

この時の出汁は、昆布と酒を加えただけの出汁でOK 。 

 

脂は旨味でもあります、この鴨脂だけで充分に旨味が抽出できます。 

 

弱火で、そうですね30分ほど火に掛けたら煮切り味醂と、淡口醤油を加えて味を調えます。

  

大雑把な割合で言うと、煮切る前の味醂と淡口醤油が同割り。

 

 出汁が6.5くらいでしょうか。 

 

これだと、結構濃い目です。

 

ただし、ご飯のおかずとしては、充分に味わいを感じる仕立て方でして、

これが会席料理で煮物や椀盛に使うと言う事であれば、8杯くらい。 

 

この辺の感覚は、料理屋の感覚でして店のスタッフに賄を作らせると

ご飯のお供、お惣菜としての仕立て方よりも酒の肴の仕立て方になる事も

多いですが、 

 

ご飯に合う、お酒に合う・・と言う感性は、個人差もありますし、育った

環境や、師事した親方の嗜好にも左右されますが、多くの場合は

ご飯の時は濃い目、濃い目で仕立てると良く合います。 

 

また淡口醤油での割合ですが、お惣菜なら濃口醤油でも全然、問題なし。 

 

むしろ、薄めの天つゆや蕎麦ツユみたいな味わいで仕立てた方が

白いご飯との相性は良いです。 

 

味付けの強さ、使う調味料などは数ある選択肢の中から、ご自分に

合った選択肢を探していく。 

 

そういう試行錯誤も料理の楽しい所です。 

 

さて青菜とキノコの下準備が出来て、出汁が仕立て終わったら、

食卓の準備を進め、他の料理が出そろった所で、準備した出汁を

沸かしておいて、下準備の青菜、キノコの水気を切って加えます。

 

更に間髪入れず、鴨肉を投入!

 

そしてひと煮立ち。 

 

それで完成です。

 

鴨に火が通った瞬間!を逃さず捕らえて下さい。 

 

熱々の煮えばなを器にざっくりと盛り付けたら、粗挽きの胡椒を

振ったり、胡麻油を数滴垂らす・・・なんて言う事で、香りを添えて。 

 

本日は「鴨と青菜、キノコの早煮」を、お伝えしました。 

 

もちろん、鴨でなければダメ・・なんて事ではありません。 

 

鶏でも、牛でも、豚肉でも・・・、旨味の豊富な材料をお使いください。