鴨の馬鈴薯焼

鴨肉の旨味、ジャガイモのホクホクした食感と味わい。

 

二つの物を組み合わせて、それぞれの個性を合わせる事でより豊富な味の広がりを楽しむ事。

 

料理の中では、実に大切な事です。

 

その組み合わせが食材同士であったり、食材と調味料の組み合わせであったり、香辛料やハーブ、熱々や冷やしと言った温度との組み合わせであったります。

 

 「鴨の馬鈴薯焼」も、そんな手法を駆使した一品と言えます。

 

 

単に作り方を説明しますと、まずはジャガイモのマッシュポテトを用意します。 

 

以前、紹介したスパイシーなポテトが、組み合わせとしては面白いのでURLを貼っておきましょう。

 

 → http://goo.gl/bLV4wb

 

そして鴨肉ですが、先日紹介した鴨ロースと呼ばれる胸肉をローストしたら、非常に味わいは良いのですが、今回は敢えてモモ肉を使います。

 

歯応えのある食感と、硬質タンパクが豊富で噛めば噛むほど味わいが滲み出てくる。 

 

その噛む間の味わいに相乗効果を加えて、何倍にも楽しむのが、

この一品の醍醐味です。 

 

鴨のモモ肉は塊のまま、筋や脂を掃除して皮目に金串で穴をあけたら

醤油洗いして焼き始めます。 

 

その間にマッシュポテトを団子にしておきましょう。 

 

芯まで火が入った瞬間に、三度目のタレ付けが終わりる様、タイミングを

計って焼き上げます。 

 

そして熱々のうちに、ひと口大に切り付けますが、鴨のモモ肉の弾力と

マッシュポテトの柔らかい食感を調和させるには、ここでひと工夫が

必要です。 

 

ひと口大にした鴨肉の表と裏から、斜めに切込みを入れておきます。 

 

ざっとした切込みで構いません。 

 

このひと手間で、弾力のある身質も驚くほど噛みやすく、しかも味わいを

感じる様になります。 

 

そこへ、マッシュポテトの団子を載せて、オーブンで温めたら、醤油味の

餡を掛けて完成です。 

 

ちょっと複雑かもしれません。 

 

あまりにも手を掛けた料理は、職人の間でも「手垢がついた料理」などと

揶揄される事がありますが、鴨肉・ジャガイモ・醤油の餡の調和で、そん

な心配は吹き飛びます。 

 

完成された組み合わせには、それに見合う感応があると言う事です。 

 

と言うのは、やはり日本料理の古くからの一品で「蕪蒸し」「トロロ蒸し」など

こういうスタイルの料理が多い事でも、納得して頂ける事でしょう。 

 

マッシュポテトに、ローズマリーやタイムなどを利かせるのはやり過ぎかも

しれませんが、このぐらいのインパクトがあると無濾過生原酒の豊富な

旨味にも充分に対抗できます。 

 

もちろん、優しい香りに仕上げて割水燗を合わせるなど、優しい呑み方にも

充分に調和します。 

 

この一品で、核となるのはこのスタイルです。 

 

枝葉の分かれ道は様々あっても、このスタイルとお酒の組み合わせには

真っ直ぐに伸びる王道の楽しみがあると思いますが、いかがでしょう。 

 

ぜひ、1度、お楽しみ頂きたい一品です。