零余子(むかご)の豆鼓焼

今の時季に出回る山芋の蔓に付く子芋、むかごを紹介しましょう。

 

漢字では「零余子」と書きます。

 

里芋と相性の良い、伝統の食品があります。

 

大徳寺納豆と呼ばれる、今では高級な食材となった枯れた味噌の様な豆の粒です。

 

納豆と言っても、寺納豆や浜納豆と呼ばれるものは一般で言う納豆の様に納豆菌で発酵させた食品ではありません。

 

それこそ、味噌の様な味わいで枯れた風味が何とも郷愁を誘う食品です。

 

 

この大徳寺納豆を、蒸した子芋に詰め込む料理がありまして・・

 

これが、まさに酒の肴には絶好の一品となります。 

 

そして、今日のお題の「むかご」にも、この大徳寺納豆は良く合うのです。 

 

むかごを、生から煎りつけて火を通し、大徳寺納豆を添えて食べる。 

 

和食の気の利いた割烹や料亭では、松葉に刺して両方を同時に味わう様な一品に仕立てます。 

 

そして、この大徳寺納豆と、ほぼ変わらず味わいを持った食品が中国にあります。 

 

起源は中国の物でしょうか。 

 

よく聞く食材だと思いますが「豆鼓(トウチ)」です。 

 

大徳寺納豆を仕入れようと思うと、けっこうな価格です 

 

・・・と言っても、そんなに大量に使う物ではありませんから、それなり

の価格なんですが、まぁ、商売で使うとなると覚悟が必要です。 

 

これが豆鼓となると、実に気軽に使えます。 

 

粒の大きさが、豆鼓の方がやや小さかったり、味わいの深みが、やや

淡いと言う難点はありますが、目隠しをして食べたら武内でも容易に

判断できない。 

 

それぐらいの共通点があります。 

 

この豆鼓と共に煎りつけたら、むかごが実に酒に良く合います。 

 

元々、鄙びた風味が魅力のむかごですから、枯れた味わいの豆鼓と

ぴったりと嵌る訳です。 

 

と言う事で、むかごの話題と言うよりは、一品の紹介・・ 

 

「零余子の豆鼓焼」の紹介になりましたが、ご家庭でも簡単に真似できる

品かと。 

 

ぜひ、むかごが手に入った時には、この記事を思い出して頂いて、

お試しください。 

 

秋上がりの燗酒が、いっそう美味しく感じますから。