紅葉鯛とキノコのトロロ蒸し

鯛の切り身と、季節のキノコに大和芋のトロロを掛けた蒸し物。

 

蒸し物と言う料理はご家庭では作る機会は少ないかもしれませんが、実は上手に取り入れると、重宝する仕立て方です。

 

と言うのは準備さえしておけば、一気に何人前もの料理が同時に仕上がる。

 

大きなメリットのある仕立て方です。

 

ですがデメリットもあります。

 

 

 

蒸している最中は中が見えないので、変化が分からない事と、途中で味付けが利かない事です。 

 

ですが、このデメリットさえ克服すれば、大きな恩恵を受けることが出来ます。

 

さて、鯛の切り身と季節のキノコ、キノコは簡単に手に入るシメジでも使いましょう。

 

鯛の切り身は、厚みを持たせて箸で切って三切れ分ほどの大きさの切り身にします。

 

 

厚みを1cm弱、2~3kgの鯛なら背節でも腹節でも若干、包丁を寝かせて削ぎきりにするくらいが目安です。

 

切り身にしたら湯通しして水に落とします。

 

皮目を注意して見て、決して鱗が残らない様、綺麗に余分なものは取り除いて下さい。

 

この切り身を、塩を加えた酒の中に浸します。

 

時間にして15~20分程度で構いません。

 

塩気は海水程度が目安です。

 

 

酒に浸しながら蒸し器の湯を沸かして、キノコの掃除をしてトロロを卸し、餡を作っておきます。

 

シメジは石突を外して軽く茹でたら吸い物より強め加減の出汁に浸します。

 

ざっくりと仕立てるなら生のままでも構いません。

 

この辺はお好みにお任せします。

 

トロロは大和芋を使います。

 

 

料理屋の仕事では、こういう場合はヤマノイモ・・・つくね芋と言うごつごつした丸い芋を使うことが多いですが、探している内に1日終わります。

 

大和芋の皮を厚めに剥いたら卸金の細かい方で力をなるべく掛けずに、細かく卸して擂鉢に移します。

 

擂鉢の面を使って卸す方法もあります。

 

どちらにしても、この後・・丹念に摺るのでどちらでも構いません。

 

卸しやすいのは卸金の方が分がありそうです。

 

 

さて卸した大和芋に卵白と僅かな塩を加えて、丹念に・丹念に摺ります。

 

きめの細かい濃厚なトロロを目指してください。

 

卸し終わりに緩いと思ったら片栗粉を加える事もありますが、なるべくなら

使わない方が美味しく仕上がる様な気がします。

 

この辺も、お好みにお任せしましょう。

 

餡は濃口醤油主体のベッコウ餡と薄口醤油で仕立てる銀餡があります。

 

これもどちらでも、お好きなほうで構いません。

 

濃口醤油なら蕎麦ツユより若干薄めに仕立てた出汁に葛を引きます。

 

銀餡の薄口醤油の味付けなら、うどんの付けツユ程度の出汁に葛を

引きます。

 

どちらの餡も、麺類に使う出汁が良く合います。

 

最後に追い鰹をして漉してから葛を引くと、いっそう味わいが良くなります。

 

 

さて酒に漬けた鯛の切り身を取り出し、水気をきっちりと押さえます。

 

鯛の大きさに合わせた昆布を1枚敷いて、鯛の切り身には片栗粉を

まぶしましょう。

 

そのまま水気が掛からない様にラップをして10分程度蒸します。

 

火の入り方としては7~8分と言うところで、キノコを添えてトロロを

掛けて、さらに5分ほど蒸したら完成です。

 

熱々の餡をかけて、天には山葵や生姜を載せたら、すぐさま食べる方の

前へと運びます。

 

こういう料理は何と言っても、熱々のうちが華です。

 

そして、熱々の料理は、もうそれだけで美味しいもの。

 

蒸しあげたら一気に最後まで進めるように段取りをよくしてから、

蒸し器に入れることが、蒸し物のコツです。