穴子白焼きとキノコのサラダ仕立

この季節に?・・・との疑問も湧きますが、今の季節の野菜を生で食べるのも、案外美味しいです。

 

と言うのは、春菊やジャガイモ、珍しいところでは椎茸なども。

 

さすがに椎茸は生では食べないだろうとお感じでしょうが、もうだいぶ前になりましたが、千葉県の佐倉キノコ園に行かせてもらって菌床栽培の椎茸を生で食べた時には、感動しました。

 

まぁ、春菊にしろ、椎茸にしろ、特別に新鮮で生で食べるのに耐える特別な物でなければ・・・と言うのもありますが、

 

もっと一般的な人参やジャガイモなども生で食べて美味しい野菜です。

 

樂旬堂・坐唯杏の考え方の大本の部分。

 

最も基本的な考え方の一つに、「肉や魚の旨味で野菜を食べる」と言う理念があります。

 

例えば、野菜単品で炊いた煮物でさえ、鰹出汁という魚の旨味が加わるから野菜の味わいが引き立つのであって、野菜そのものの味わいだけで料理を仕立てるのは、かなり難しい挑戦となります。

 

武内が若い衆の頃、師匠の言葉には野菜、そのものだけを食べて旨いと思えるのはサツマイモだけだ・・・なんて言う言葉がありました。

 

その他の野菜には、最低限・・塩が必要だとの言葉です。

 

とは言え、本当にもぎたての胡瓜などは塩も不要な位の瑞々しい味わいがあります。

 

辻嘉一翁には、もぎたての胡瓜も30分経つと塩が必要になる・・・との

お言葉もありましたが、野菜を上手に食事に摂り入れるには、やはり肉

や魚と言う旨味の豊富な物と組み合わせるのが自然です。

 

本日のお題の「穴子白焼きとキノコのサラダ仕立」では、魚の中でも最

も旨味が豊富な穴子を使っての野菜を食べる料理です。

 

もちろん合わせる野菜はレタスやサニーなどの生で自然に召し上がる

野菜も充分に楽しめますが、武内は敢えて人参や牛蒡などを合わせる

のが好きです。

 

人参もやや太めの千切り、牛蒡は縦に四つ割ぐらいにざっくりと切りつけて、

牛蒡の成長によって食感が悪い、合わないと感じたら湯通しをすると一気に

サラダとの調和が盛り上がります。

 

ジャガイモなども、生で食べるときにはいつもより綺麗に芽を掃除して、

細い千切りにして、充分に水にさらして湯通しすると、その食感を楽しむ、

面白いサラダとなります。

 

そしてタイトル通り、肝心のキノコ。

 

季節のキノコを軽く茹でても良いですし、軽くソテーしたりで生の食感が

楽しい野菜の中に混ぜ込みます。

 

これがキノコだけだと、食感に変化が無く出来損ないの炒め物の様になりますが、

生の食感がある野菜、特に根菜類との組み合わせは抜群に面白い調和が生まれます。

 

ドレッシングは、普通に塩・胡椒、サラダ油のシンプルな物でも良いですが、

魚の濃厚な旨味に合わせて、例えば牡蠣油・・・そう、オイスターソースなどを

加えた、やや甘味があるものを仕立てると良いかもしれません。

 

また、さらにご馳走感を高めるならスプーンで掬い取ったクリームチーズを添える

事もあります。

 

新鮮な春菊や、三つ葉、ルッコラの新芽などの香りを利かせるのも武内が良く使う

手法ですし、食用の菊の花を生で少量散らしたりするのも季節感を感じる憎い

演出です。

 

穴子のサラダ仕立て・・・ご家庭でしたら、何も穴子に固執する必要なありません。

 

それこそ、鶏肉や豚肉を焼いた物、ホッケの干物や太刀魚の干物などは、とても

食べたくなる組み合わせだと思います。

 

ぜひ、肉や野菜の旨味で野菜を食べる・・・サラダ。

 

食事に充分に摂り入れて下さい。