秋野菜のグリル

名前だけ聞くと決して、質素な料理とは思えませんが、武内の中では、実にシンプルかつ素朴な料理のひとつです。

 

野菜を、それぞれが持つ味わいだけで楽しむように仕立てる。

 

もちろん、粗塩を添えたり、醤油を落とした大根おろしを添えたりと

味付けはあるのですが、味わうのは野菜そのもの。

 

秋の野菜と言えば椎茸や里芋、大根、牛蒡、栗や銀杏、蕪、サツマイモ、蓮根と、素材自体にしっかりと味わいのある物ばかりですから、その味わいを最大限に生かす。

 

そういう仕立て方をするのが日本料理の考え方です。

 

そこで、最もシンプルに素材の味わいを楽しむとしたら・・・、と言う考え方で秋野菜のグリルを作ってみましょう。 

 

まずは野菜を数種類、用意します。 

 

例えば里芋、牛蒡、椎茸、蓮根にしましょうか。 

 

プロならば、きちんとしたオーブンで間合いを見計らって火が通りにくい物から順に焼き始め、最後にすべての食材が丁度よく火が入る様に焼き上げます。 

 

例えば、ごろっと切った里芋を焼き始めます。

 

低温でじっくりと火が入る様、火加減を調節して8分通り火が入った所で歯応えを楽しめるように、厚めにスライスした牛蒡や蓮根を里芋の横に置き、オーブンの中で水分が程よく蒸発する様に焼き上げます。 

 

そして最後の仕上げに焼き目を付ける、その時に椎茸を横に加えます。

 

強い火で、乾かす様にさっくりと火を通したら完成。

 

彩りよく盛り付けて、粗塩を添えて召し上がる。 

 

という具合ですが、ご家庭の調理機器ではけっこう難しい仕事です。

 

そう言う時は、火の通りにくい物を蒸してしまいましょう。 

 

もちろん茹でても良いのですが、水に漬けて茹でてしまうより、蒸した方が

野菜の味わいが抜けません。 

 

蒸して火が通った所で熱々のまま、オーブントースターや魚焼のグリルでも

構いません、焼き目を付けます。 

 

その焼き目を付ける時に、早く火が入る物を加えます。 

 

蒸し器で蒸して、中まで熱々ですから火が通る、通らないは全く気に

しなくても大丈夫です。

 

ちょこちょこ確認しながら、良い焼き色が付く事だけに集中する。 

 

それならば、ご家庭でも充分に綺麗な仕上がりが望めます。 

 

芋類に加えて大根や人参、牛蒡や蓮根などの根菜は、この方法で

グリルに仕上げたら、実に質素な味わいでありながらご馳走感の

溢れる一品が出来上がります。 

 

途中、蓮根をスライスして歯応えを残すレシピにしましたが、じっくりと

火を通してモッチリした食感の蓮根も、また絶品です。 

 

他には粗塩、大根おろしに醤油を加えた染おろし、以外でも・・ 

 

例えばケチャップやオイスターソース、食べる辣油やマヨネーズ系の

調味料、サウザンアイランドや胡麻のドレッシングでも充分に楽しめます。

 

その辺は、お好み次第で臨機応変にお試し頂けるのも、シンプルな

味わいだからこそ。 

 

自分だけのお好みの味付けを、ぜひ開拓してください。 

 

ちなみに、武内は先日、奥能登・珠洲の塩田村で買ってきた結晶塩を

掛けるのが好きです。

 

カリッとした食感が、癖になります。