季節野菜と紅葉鯛・南禅寺蒸し

 本来の南禅寺蒸しは、水切りした豆腐を潰して羽二重で漉して玉地・・・

茶碗蒸しの出汁ですね、これで伸ばし蒸し上げた物です。



京都・南禅寺近辺が盛んな豆腐の生産地だったために、豆腐を使った

料理に「南禅寺」が当てられた・・と言うのが語源だそうで。



とは言え、古いレシピは・・・



武内は、実のところ良く知りません。



かつて、鰻屋に勤めていた時の親方が、大きな婚礼場の調理長をやられて

いた方だったので、この一品を習いました。



実に効率の良い、大量調理の利く品でして。



武内も過去においては、大きな宴会の時などに取り入れた一品です。




南禅寺蒸しを、本気で仕立てると豆腐と卵の割合に気を遣わなくてはいけません。

 

 

器蒸しにしてしまえば、茶碗蒸しの様にそのまま提供できますが、最後に

炊き合わせの様に盛り付けるのが、その昔の流行でした。

 

 

現在では、炊き合わせと言うと職人の間では、あまり能が無い・・というか

高級感を感じさせない献立のように言う人も多く、

 

 

一品物で、素材の存在感が強いものが好まれる傾向にあります。

 

 

その路線で仕立てのが、この一品でした。

 

 

その仕立て方は、鯛の切り身、海老の剥き身、イカなどを大きさを揃えて

湯通しし、酒塩に浸して下味をつけます。

 

 

他にも銀杏や、百合根、木耳などを揃えておきます。

 

 

豆腐は火を入れて、重石を掛け水切りした後に羽二重漉しにします。

 

 

最近では、綺麗なペースト状に仕上がるフードプロセッサーも安くなりましたから、

そういう物で時間を短縮するのは、決して悪い事ではありません。

 

 

豆腐の10丁も羽二重越し・・・裏漉しの上にガーゼをかけて細かい裏漉しに

する事なんですが、これをやるとゆうに1時間は費やします。

 

 

しかも腕はパンパンになりますから、若い頃なら力とスタミナに任せて出来る

仕事でしたが、今は文明の利器に頼るのも成長と考えてます。

 

 

そしてペースト状の豆腐を、茶碗蒸しの出汁で伸ばしていきます。

 

 

茶碗蒸しの出汁と言うよりは、玉子豆腐の濃度です。

 

 

出汁と卵液が同じ量だと、固めですが扱いやすい仕上がりになります。

 

 

 

そして、クライマックス。

 

 

器に具を決めて、豆腐の入った玉子入りの出汁を加え蒸すわけですが、

このまま蒸したら、器から抜けません。

 

 

どうするかと言うと、寒天の濃い溶液を作っておいて、器に塗っておくのです。

 

 

このひと手間で蒸し上げたあとに、器から形のまま綺麗に抜けます。

 

 

そっと抜いておいて器に盛り付け、餡をかけて完成です。

 

 

綺麗なドーム型の蒸し物。

 

 

こんな、コツがあります。

 

 

ぜひ、1度・・・話の種に召し上がってみてください。

 

 

お連れの方に、種明かしをした時の尊敬の眼差しもご賞味を (笑