太刀魚の蒸し寿司

 太刀魚は皮の銀の部分を束子で取り去り、洗い切ってから三枚に卸します。


酒塩に漬けてから、脱水シートで水気を絞り、そのまま風干しにして焼き上げます。


錦糸玉子、管牛蒡、酢蓮、椎茸の甘煮などと彩りよく、寿司飯の上に

盛り付けて、蒸し器で熱々に温めます。


温かい寿司ですので、真冬の寒いとき、こういう熱々の寿司は、

嬉しい一品です。


さて蒸し寿司の、絶対的・唯一のポイントは寿司飯の合わせ方です。





 

このメニューでは、季節の太刀魚を風干しにして焼きましたが、季節の魚なら

実は、案外応用範囲が広い手法です。

 

太刀魚の様に、淡白とも言えず、かと言って青魚の様に独特の癖も無い

素材が、良く合いますが鶏肉や鰻、鯛や平目など良く使う素材です。

 

そして寿司飯は、これらの素材に調和する合わせ方をします。

 

具体的には、やや薄目の酢で合わせる事です。

 

素材の風味が温まっている事で、より強く感じられる。

 

その風味に寄り添う様、仄かな酸味で寿司飯を調えます。

 

また熱々の寿司ですから、酸味が強いとむせてしまう。

 

酢の効き方は、弱くても物足りないですが、強過ぎた時は破壊的な

バランスの悪さを発揮します。

 

優しい味わいの、仄かな酸味。

 

素材に寄り添う、寿司飯の包容力を、メインの太刀魚と共にご賞味下さい。