ジャガイモ・バター蒸し(新ジャガ・バター蒸し)

秋の実りの時季・・とは言え、今の季節に新ジャガは基本的には出回っていません。

 

 

 

新ジャガと呼べるのは、冬に植えつけられて春先から夏に掛けて収穫される小粒のジャガイモを指します。

 

 

 

普通のジャガイモなら北海道が一大産地ですが、新ジャガとなると九州が主な産地でして、2~6月にかけて収穫されます。

 

 

 

この収穫時季が、徐々に北上して最後は北海道まで達すると言う産地の北上を新ジャガ前線と呼んだりもします。

 

 

 

 

さて、では何故・・今の時季にこの一品を紹介させて頂くかと言えば、新ジャガでなくとも十分に、いや新ジャガ以上においしい一品が出来上がるからです。

 

早速紹介させて頂きましょう。

 

ジャガイモは天地を揃えて、縦に皮を剥きます。

 

我々が仕事で剥くときには、何面で剥き取るかをきっちりと揃えて六方剥きだの、八方剥きだのと気を遣う部分でもありますが、

 

ご家庭で皮を剥かれるなら、何面でもかまいません。

 

気をつける事は、段差の無い綺麗な面で剥き取る事と、なるべく多い面数で剥く事を考えた方が良いです。

 

 

と言うのは少ない面数だと、自然と角が鋭角になりますが、鋭角のジャガイモは煮崩れしやすく、煮るのが非常に難しくなります。

 

新ジャガだと、この辺が扱いやすく瑞々しい食感と、豊富な水分が美しい仕上がりとなりますが、今の時季のジャガイモを綺麗に煮るのは職人の間でも至難の業。

 

大変気を遣う仕事です。

 

とは言え、何点かの事に気をつければ割合、綺麗に煮えるので併せてお伝えしましょう。

 

さて剥き終わったジャガイモを下茹でします。

 

この時は、軽く火を通す。

 

もしくは中心は少し生の部分が残っても良いと言う位に、さっくりと茹でて下さい。

 

 

下茹でが終わったら水に落とします。

 

そのジャガイモを出汁に変えて煮ていくのですが、酒と味醂、塩と薄口醤油であまり色をつけないように、じっくりと腰を据えて煮ていきます。

 

この時に味醂は必ず使ってください。

 

沸騰するまでは中火で、沸騰直前に弱火に落として沸く寸前ぐらいの温度でキープする様にします。

 

出汁の中には、武内は鶏皮を突っ込んでおきます。

 

 

鶏と鰹の混合出汁にして煮含めていきますが、鶏肉でもスープと鰹出汁で割った物でもかまいません。

 

鰹出汁だけだと、やや物足りないし鶏の旨味が加わると一気にジャガイモの味わいが上がります。

 

ぜひ、混合出汁はお使い頂きたいテクニックです。

 

そして火加減は沸騰直前を厳守です。 

 

味醂で素材を締めつつ、ゆっくりした加熱で扱うと一気に煮崩れる事は、殆どありません。

 

そして良い味加減に調えたら、火を消して一回冷まします。

 

これで準備は完了。

 

後はこの出汁とジャガイモを器に盛り付け、バターを1片落としたら蒸し器で温めます。

 

 

熱々になった所で黒胡椒の粗挽きをパラッと振って、青菜や色目のあるものを添えたら「(新)ジャガイモのバター蒸し」の完成です。

 

ジャガバターと言うと蒸したジャガイモを温めてバターを乗せて完成、と言うレシピも見かけますが、この手法を覚えてからと言うものずっと、嵌っていました。

 

最近になって、蒸しただけのジャガイモの良さも、それはそれで良い物と感じる事も多いですが、ひと手間掛けたジャガイモ料理。

 

挑戦してみてはいかがでしょうか。