舞茸田舎煮

 

さて田舎煮と言う事ですが、以前にも書きましたが田舎煮には定義がありません。

 

では、本日の田舎煮はどう言うタイプかと言うと、厚揚げと鶏の出汁でさっくりと炊いて、吸い口替りに溶きガラシを添えた一品にしようかと思います。

 

もちろん、溶きガラシの部分を省略して、胡椒を振ったり、山椒を振ったりするのも面白いですし、最近の流行りで言えば、柚子胡椒なんかも良いですよ。

 

この辺はお好みにアレンジして下さいね。

 

 

 

さて、まずは鶏肉をひと口大にして油で炒めるか、湯通ししましょう。 

 

鶏肉の表面に皮膜を作って、旨味の流出を防ぐのと出汁が濁るのを

防ぐという効果があります。 

 

油で炒めた時には、丁寧にするなら笊に揚げて、お湯を掛けておくと

さらに綺麗な出汁に仕上がりますが、ご家庭で作られるお惣菜なら、この辺は省略しても構いません。 

 

それを鰹の出汁で炊きます。 

 

酒と味醂、塩と淡口醤油で吸物よりもしつこく、ギリギリ飲めるけれど

濃いと言う味に仕立てます。 

 

そこに、適当な大きさに包丁した厚揚げを加えて、じっくりと煮含めます。 

 

さて別鍋には番茶を煮だしておきましょうか。 

 

このお茶で舞茸を茹でましょう。 

 

そうするとアクが抜けて、煮汁が黒っぽくなりません。 

 

折角、塩と淡口醤油で綺麗な色合いの出汁に仕上げてありますから、

キノコのアクが出て黒っぽくなったら、やはり美しくありません。 

 

どうせ、茹でてから使う物ですから、ちょっとした手間で綺麗に仕上がるなら

綺麗な方が、味わいも増すと言うものです。 

 

番茶を煮だした汁に、塩をひと摘み加え、小房に分けた舞茸を投入し

サックリと茹でたら水にサッと晒して、これで下準備は完成です。 

 

先程の、鶏肉と厚揚げを炊いた出汁に舞茸を投入して、ひと煮立ちで完成。 

 

盛りつけて、辛子を添えますが、この時にちょっとしたコツがあります。 

 

ご家庭でも辛子を使う時は、殆どの場合はチューブの辛子をお使いの

事と思いますが、その辛子を小皿に少し取って頂いて、先ほどの煮汁で

少し伸ばしておきます。 

 

柔らかいポタッとした感じになりますね。 

 

盛り付けた煮物のてっぺんに、鶏肉でも舞茸でも置いて貰って、その辛子を

ポトっと落として頂きたいんですね。 

 

汁物や、お椀に吸い口として辛子を使う時の鉄則なんですが、このひと手間を

入れると入れないのでは、辛子を吸い口に使う意味まで変わってきます。 

 

ただ単に辛子だけを落とした時と、同じ出汁で伸ばしてから使う時では、

ツユを吸った時の印象が、ガラっと変わりますよ。 

 

と言う事で、本日は舞茸の田舎煮をお伝えしました。 

 

とても気さくな、そして食べるのも気軽に口に運べる、どことなく

懐かしい気さえする一品だと思います。