秋刀魚の塩焼

 

秋刀魚の塩焼きにコツなんかあるか! ・・・って思う方もいらっしゃるかもしれませんが、ちょっとした事で、普段の秋刀魚よりも、ひと味上がります。

 

その1)

 

まずは良く焼く事です・・・って書くと、当たり前の事の様ですがネットで拝見する画像を見ていると、どれも焼きが甘い物が多いです。

 

 

 

青魚は、少し焦げ目が付くぐらいまで攻めて焼かないと、本来の旨味は堪能できません。 

 

と言うのは、やはり脂が落ちるぐらいまで焼いた方が良いのと、皮目をパリッと焼き上げたいからです。

 

 

その2)

 

その1)と若干、かぶりますがきちんと火を通す事です。 

 

中骨の所まできっちりと火が通っていないと、腸が入ったままで焼く秋刀魚は、気持ちが良く無いですね。

 

 

 

具体的な焼き方は、その1)も含めてこう言う焼き方です。 

 

家庭用のグリルで焼くとして、最初は弱火にして秋刀魚の全体をパリッと乾かすぐらいのつもりで焼いておいて、最後に火を強くして焦げ目をしっかり付ける、、なんて言う工夫をすると良いと思います。 

 

表と裏では、最初は弱火でじっくり裏から火を通して、中火で焦げ目を付けたら、ひっくり返して表を弱火でじっくりと焼き、最後は強火にして焦げ目を付ける。 

 

こう言う焼き方をして貰うと、家庭用のグリルでも充分に美味しい秋刀魚が楽しめると思いますよ。

 

 

 

 

さて、その3)ですが。

 

 

実は焼く前の段階で、手を抜いてしまう事が秋刀魚の味わいを

やや落としています。 

 

大抵の秋刀魚は魚屋の、余り綺麗では無い水に漬かって売られて

いますが、買ってきて洗わずに焼いてしまう方が多いと聞きます。 

 

秋刀魚を先ずは、綺麗な水で洗ってやって下さい。 

 

そして水気を綺麗に拭き取る、それだけでひと味上がります。 

 

もう一つ加えて書くと、綺麗に水気を拭き取った秋刀魚に粗塩を

振ります。 

 

そうすると、秋刀魚の表面の塩が粒のまま立った様に焼きあがります。 

 

秋刀魚の表面にカリッとしたアクセントが出来るんです。 

 

これは鮎の塩焼きでも同じですし、ぶっちゃけ焼鳥でも同じです。 

 

表面の塩が立つくらいで焼きあがっていると、それだけで本職の焼鳥屋

さんを凌ぐ(笑 味わいになると思います。 

 

と言う事で、まとめると秋刀魚は1回洗って、綺麗に水気を拭き取る。

 

そして塩を振り、秋刀魚の表面を乾かすつもりで弱火で焼き始め

裏からじっくりと火を通しながら、最後に強火にしてやや強めに

焦げ目を付ける。 

 

そんな所でしょうか。 

 

ぜひ、お試し下さい。

 

パリッと焼きあがって、中骨の所までしっかり火が入った秋刀魚は

やはり、この季節は極上の美味だと思います。

 

 

 


坐唯杏の賄いでも、最近はアサリや蜆の味噌汁と、サンマの塩焼きなんて言うメニューが良く登場します。

 

と言うのは、やはり解凍サンマが安く出回っているので、こう言う物を上手に取り入れて食事をしていく事も、賄いにおいては必要な考え方です。

 

しかも、昨年の良い時季に水揚げされた旬のサンマですから、解凍と言う鮮度の問題を除けば、おそらく新物の脂の無いサンマよりも食べたら美味しいんですね。

 

ただ日持ちは悪いし、解凍後の保存もナイーブになってきますから、信用できる仕入れが必要なのです。

 

 

そう言う点では、坐唯杏には死角なし。 

 

美味しい解凍サンマの塩焼きが食べられるわけです。 

 

と言う事で、サンマの焼方ですが、家庭用のグリルで焼く時のコツを披露しましょう。 

 

まずは洗います。汚い水に漬かっていると考えた方が良いです。 

 

綺麗な水で表面を流してやって、水気を拭き取ったら、表になる側、つまり頭を左に向けて腹が手前に向くように置いた時に、表になる側に包丁目を入れます。 

 

串を何本か、束ねて穴をあける、でもかまいません。 

 

皮が縮んで、破けてしまうのを防ぐわけです。 

 

別に見栄えなんかどうでも良い、と言う場合でも、このひと手間はやった方が

良いです。 

 

皮が破けずに、パリっと焼けたたら、その食感がまた味わいになるからです。 

 

そして、塩を軽く振ったらグリルに入れます。 

 

塩加減は、塩だけで食べられる加減の6~7割ぐらいでOKです。 

 

武内に限らず、サンマの美味しい食べ方は身の上に大根おろしを載せて

醤油をポタポタぐらいの少量を落として召し上がる,なんて方が多いと

思いますし、また醤油の味わいがサンマをさらに美味しくしてくれますしね。 

 

グリルに入れる向きは裏からです。 

 

最初は、それほど温まっていないでしょうから、時間をかけてゆっくりと

6・7分目まで火を通す感覚で良いでしょう。  

 

裏から焼けたら表に返し、表側をこんがりと焼き上げます。 

 

厨房の慣れない者でも、やりがちな間違いですが鮎のように綺麗な

焼目で青魚を焼いたら、ひとつも美味しくありません。 

 

鰯、鯖、秋刀魚、鰊、どの魚にしても、少し焼き焦げが出来るくらいに

強めに焼き上げて欲しいのです。 

 

それは余分な脂が落ちて、身の味わいが凝縮されることもありますし、

先ほどの皮目がパリッと焼けているのが青魚特有の嫌な脂っこさから

美味しい・・に変わる境目なんです。 

 

綺麗に焼目を付けて、よりも強め強めに追い込んで短時間で焼いて

頂きたいのが青魚を美味しく食べるコツですね。 

 

そして、和食の仕事での焼場の基本、焼き上げたら即、器に盛り付けて

テーブルに運び、熱々を食べて貰う準備をしながら焼く事ですね。 

 

料理の腕が上がってくると、ついつい先走って調理を進めて、テーブルに

揃った時は、見てくれはよくとも冷めてしまっている料理が殆ど、なんて事が

良く見かけられます。 

 

本当の上級者は、最後の熱々には妥協しません。  

 

熱々の焼魚、熱々の味噌汁、炊きたてのご飯、を逆算して同時に仕上げる。 

 

それが習慣になってこその料理ですよ。 

 

と言う事で、少し話が逸れましたが、青魚の美味しい焼方でした。