視覚の涼 <蓴菜(じゅんさい)のお話>

蓴菜は、簡単に「順才」などと書いたりしますが、この字を書くのが我々の若い頃からの和食の世界での習慣です。

 

ヒツジクサ科の宿根草で、漢名で「蓴菜」、古くは「ぬなは」(沼縄の転)と呼んだとのことです。

 

言わずと知れた、水草中の珍味で古い池沼などに多く自生し、光沢のある葉を浮かべて可憐な紅色の花を覗かせたりします。

 

この食材の最大の特徴は、若い葉や芽にゼラチン質の粘液に包まれていること。

 

他の動物などから身を守る自然保護ですが、箸からするっと抜けていく蓴菜には大いに納得させられるところです。

 

 

 

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姑の知らない・・ 「真鯒(マゴチ)」のお話

鯒(こち)はコチ科の魚で非常に味わいが良いことで知られています。

 

ふぐの代用として認識される場合もありますから、推して知るべし。

 

引き締まった肉質と、豊富な旨味、美しい身質の高級魚です。

 

ただし、これは真鯒に限ったお話で、「鯒」と呼ばれる魚は、案外たくさんいます。

 

コチ類にも、マゴチ、メゴチ、イネゴチ。

ネズッポ類にも、ヌメリゴチ、ヨメゴチ。

 

この様に、コチ類以外のネズッポ類やノドグサリなども、コチとして認識される事があります。

 

地方名と標準和名の認識の差は、まだまだ多くて東京近辺、三崎などでもネズッポ類の魚をメゴチと呼ぶことがありますが、メゴチはコチ類の仲間でカサゴ目コチ科で、スズキ目ネズッポ科のネズッポとはまったくの別種です。

 

 

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逆転現象  「汐子」のお話

「汐子(しおこ)」は、カンパチの子供、幼魚です。

 

地方によっては、カンパチを出世魚として成長によって呼び名を変える所もありますが、一般的には汐子~カンパチで通用します。

 

カンパチの名は、目の所を通る暗い色の帯状の線があり、上から見ると漢数字の「八」に見える所から「間八(カンパチ)」と呼ばれます。

 

アジ科の中では最大の魚で体長は1.8メートル、体重は80㎏に至る大型魚です。

 

その味わいは、アジ科・ブリ属の中では最も美味とされています。

 

これは、サイズを問わず、我々料理人にも仲買にも一般的に認識されています。

 

と言う事で、カンパチの幼魚「汐子」についても、ある意味・・高級魚と言う認識があります。

 

 

 

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通称「バケ」 コシナガマグロのお話

通称「バケ」というのは、ある名の知れた魚に対して似てはいるけれど違う魚に使われる通称です。

 

名の知れた・・と言っても「イトヨリ」とか「メイタガレイ」に対してソコイトヨリやナガレメイタが「バケ」との事なので、一般の人には全く知られていない魚かもしれません。

 

そして鮪に対して「バケ」と言われるのが、この「コシナガマグロ」。

 

1mに満たない小型のマグロで、市場価値はさほど高くありません。

 

とは言え、その身質は本メジと言われる本マグロの幼魚と、ほぼ同じとされていて食べて、美味しい魚には間違いありません。

 

そして本日は、このコシナガマグロが入荷しています。

 

3~4日かけて、じっくりと売る素材として、安い価格で押さえました。

 

今後、鰹たたきにも転用しますが、ふだんより増量で提供させて頂くつもりです。

 

 

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小技あり <サザエのお話>

サザエは「栄螺」と書きます。

 

栄える螺貝(ニシガイ)でサザエでして、田んぼの螺貝なら「田螺(タニシ)」です。

 

この漢字の語源とは、やや異なりますがサザエの語源としては、「ササ」という語、小さなものという意味ですが、小さな突起を柄に見立てて「ササ」の柄であったり、「ササ」の家であったり。 

 

また「ササウエ」、「ウ」は座るという意味、「エ」は入り江の意味で、入り江でちょこんと座る小さいものという意味で、サザエと転訛したというのが通説です。

 

さて、このサザエですが良いものを見分けるコツは、手に持ってずっしりと重たくて、貝殻は薄く、石灰質の蓋がしっかりとしているものが身入りも良いと言われています。

 

 

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鮎の料理に百珍有れど・・・

良くお伝えする名言、

 

「鮎の料理に百珍あれど、塩焼きをもって最高とする」

 

さんざん、鮎の料理を食べたけど、やはり鮎と言う魚は塩焼きが旨い・・・と言う、含蓄のある言葉です・・・が。

 

こんな言葉を、ただただ広めてしまった武内にも責任があるかも

しれませんが、 

 

「お前ら、絶対に鮎の百珍なんか、知らないだろ」・・・なんて言う職人や、飲食店の広報、ホール担当者が、ただ上っ面の言葉だけを捉えて、この言葉を口にするのをよく見かけます。

 

例えば、向付にする鮎の刺身系の料理だけでも、

 

背越しに始まり、

 

・酢味噌の鱠 ・糸作り ・蓼和え ・真砂造り ・ウルカ和え ・酢橘〆 ・香母酢〆 ・木の芽造り ・昆布締め ・海苔和え ・穂紫蘇和え ・白酢和え ・利休和え ・洗い ・糸洗い ・卯の花寿司 ・山吹造り ・砧巻き ・生チリ ・焼霜造り ・千草巻き ・翁造り ・生姜〆 ・天城和え ・酢洗い ・湯引き ・・・ 

 

などなど、さらっと思いつくだけでも、2030は出てきます。 

 

 

 

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何か一品・・ <竹輪麩のお話>

麩と言う素材は、小麦粉に水を加え練り、でんぷんを洗い流した物に強力粉やもち米粉を加えて作ります。

 

小麦粉から生成されるグルテンの塊・・・と言う認識があったのですが、後から加える強力粉やもち米粉には、でんぷん質が含まれますから、タンパク質だけ…という訳ではありませんでした。

 

最近知った事なので、以前の認識で通信に書いて配信していた事を訂正しなくてはと、今回はお題に取り上げました。

 

竹輪麩は主に関東で発達した生麩の一種です。

 

関西料理では頻繁に登場する生麩は、グルテンにもち米粉を加え蒸して作ります。

 

粟(あわ)や蓬(よもぎ)を加えて色付け、風味付けした物や、紅葉や楓、桜や梅など和菓子の様に色付け加工した細工麩は和食の料理人には人気の素材です。

 

 

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季節の仕事 <楽京のお話>

そろそろ出回り始める素材を考えると、今の季節は楽しみが多いです。

 

まずはラッキョウ…楽京っていうと、好き嫌いが激しい食べ物ですが、歳をとるにつれ、好きになってきた一品の一つです。

 

特にシンプルに仕上げた塩楽京。

 

こんなものをかじりながらお酒を呑むのも、なかなか刺激があって

良いものです。

 

また、オーソドックスに仕上げた甘酢の楽京も良いですね。

 

武内はカレーの薬味には、必ず刻んだ楽京を用意したいタイプです。

 

 

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奇跡の根曲り竹 <月山筍のお話>

先日、山形県・最上町の懇意にしている農家の方が店にいらして下さいました。

 

その時に、毎年発注させて頂いている「月山筍(がっさんだけ)」をお持ち下さいまして今年の初物として、メニューに入れています。

 

月山筍は、根曲り竹の筍です。

 

細い、いかにも山菜と言う姿の筍なのですが、毎年使わせて頂いている月山筍は全くの別物です。

 

種類こそ、同じ根曲り竹なのですが、サイズがあからさまに違っていて、その太さ・・その大きさに最初は、大変驚きました。

 

根曲り竹で、このサイズにまで育つのか?

 

 

 

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判断基準はココ <白身魚の刺身>

白身魚の刺身と言うことなんですが、料理屋も高級な店に行けば必ず、活け締めの魚を刺身に使います。

 

活け締めとは、活かした状態で築地まで運んできて、競りが終わってから〆る魚です。

 

対して、浜で氷漬けにして〆た魚を野締めと呼びます。

 

また、浜で活け締めにした魚は、浜締め。

 

〆方によって、全然、価値が変わってきます。

 

それは身の状態が、それほど変わるからに他なりません。

 

ちょっとした店に入って、白身の魚を刺身で注文します。

 

 

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敢えて安物 <ラーメン海苔>

ラーメンの海苔・・なんて、ずいぶん細かい話題なんですが、先日、厨房の中国人スタッフが海苔をお土産で持ってきてくれて、賄いで海苔のスープを何回か頂きました。

 

和食では、こう言うあっさりした海苔の吸い物には吸い口として山葵(わさび)を使ったりするんだ、なんて事を話しながら美味しく頂きましたが、上等な国産の海苔をラーメンなどの麺類、特に汁物の中に入れるのは得策ではありません。

 

と言うのは上等な海苔は、スープに入れるとすぐに崩れてバラバラになってしまいます。

 

これが、安い硬い海苔だと、スープの中で形を保っていられるんですね。

 

 

 

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基本は基本 <厚削りのお話>

坐唯杏・別館が、まだあった頃、

 

ソーダ鰹と鯖の本枯、しかも厚削りのみを使って、出汁を仕立てていました。

 

本枯の削りは、乾燥からカビ付けされて熟成期間を長く取って、さらに乾燥を進めるという製法で作られますが、現在・・流通している削りの中では、ごく一部と言う高価で貴重な、素材になっています。

 

ソーダ鰹とか鯖節では、余り、そういう感覚はないかと思いますが、鰹の本枯と言えば、最近では使えるのは、ごく一部の高級料亭のみ、そんな感覚です。

 

坐唯杏でも時たま、本枯の削りを仕入れて、出汁の味わいのみを

存分に味わって頂く様な吸物を仕立てる時もありますが、普段使いの鰹には、荒節と言われる、カビ付けの処理を施さない素材が多いです。

 

さて、普段、よく目にするのが薄く削った削り節だと思いますが、蕎麦屋で使う削りは、厚削りを使う事が殆どです。

 

武内が子供の頃なんかは、厚削りで出汁をとって、更に乾燥させて2番出汁を使う、なんて事も多かったように感じます。

 

 

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魚使いの技 <小カツオのお話>

市場に大量に入荷するものは、たいていの場合、値が崩れて安値で取り引きされます。

 

小ガツオも例外ではなく、時季によっては、かなり値を下げることがあります。

 

ただし仕入れ値が、いくらであろうと、ある程度の価格には抑えて値付けをしないと、お客さまの支持、と言うか注文は得られませんから、高値の時と安値の時でバランスをとる感覚が大事です。

 

鰹の場合は、頭もそこそこ大きいし、頭やカマに身がたっぷり、という訳ではないので、ほとんどアラ煮や他の料理への使いまわしは利きません。

 

 

 

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濃厚な手前味噌 <トロロのお話>

トロロと言うと、やはりトロロ芋の事を連想すると思いますが、以前、立ち食い蕎麦屋でトロロ蕎麦を頼んだら、トロロ昆布が入っていて、がっかりした事があります。

 

まぁ、そんな詐欺みたいなメニューは滅多に無いでしょうが、実はトロロ芋にも、種類があります。

 

立ち食い蕎麦屋の様な安い店で、お目に掛かるのは、大抵の場合は長芋のトロロです。

 

トロロに使う芋といえば、3種類あります。

 

長芋、大和芋、そして、つくね芋です。

 

長芋はご存知の通り、漬物にしたり、千切りにしたりで居酒屋のメニューになってる、あの太くて長い芋ですね。

 

水分が多く、この芋は擂ってもネットリした食感は出ません。

 

 

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風なくして・・<独活のお話>

和食の料理人になって、最初に苦しむ事と言えば、体力的なことや仕事に対する技術的なことよりも、武内は献立が読めない事でした。

 

難読の漢字ばかりで、読めない・・。

 

武内が和食を志した理由のひとつが、日本語で勉強できる事だったのでさすがに、甘くないのを痛感しました。

 

その難読漢字で、最初に出会うのが「独活」かもしれません。

 

独活は、他にも「土当帰」と書いたり、「独揺草」と書いたりもするそうですが、殆ど、見ることはありません。

 

その名前の起源については、中国にあります。

 

 

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勝負の分かれ目 <紋甲イカのお話>

イカ類の掃除で、最も気を付けなくてはいけないのが墨です。

 

紋甲イカは甲イカの一種ですから、墨も豊富です。

 

ちなみに、紋がある甲イカ、斑紋が特徴の甲イカと言う事で紋甲イカです。

 

豊富な墨がまな板にぶちまけられると、これは事件です。

 

だから細心の注意を払って、墨袋の掃除までを済ませるのが勝負の分かれ目。

 

まずは、甲の部分に包丁で切り込みを入れてイカの突先をまな板に押し当て甲を外します。

 

胴体の、下の部分、甲が取れた後にイカの内臓と肉を繋いでいる部分に切込みを入れたら、ゲソごと持ち上げて内臓の裏を表に来るように静かに裏返す。

 

この時点で、内臓の裏にある大きな墨袋が見えている筈です。

 

 

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流行の先取り<フムスのお話・フムスサラダうどん>

まず、最初に「フムス」とは?

中東のヒヨコ豆を使ったサラダです。

 

マッシュポテトの様にヒヨコ豆を擂り潰したものですが、胡麻やニンニク、オリーブオイルなどを加えて風味豊かに仕上げた豆のペースト料理です。

 

フンムス、ハモスなどとも呼ばれますが、元々はヒヨコ豆と言う意味でして、アラビア語での正式な名称は「フンムス・ビッ=タヒーナ」と言います。

 

意味はタヒーナ入りのヒヨコ豆で、タヒーナと言うのは胡麻のペーストを指します。

 

そして豆と胡麻で造られたフムスはタンパク質やミネラル分に富んでいて、オリーブオイルに由来する不飽和脂肪酸も豊富ですから、世界中のベジタリアンに好まれているのが、現在の状況です。

 

 

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そこが魅力?! <大きな魚のデメリット>

おきな魚のデメリットと言えば、頭に近い部分や尾に近い部分の筋がきついところ。

 

つまりは、硬い繊維で、なかなか噛み切れないぐらいに筋が入る事です。

 

大味だの、味わいが落ちるだのと、したり顔で仰る方もいますが、武内は、あのパワーを味わって頂きたい、素材の持つエネルギーを感じて頂きたいとの思いで、好んで大きな魚を使います。

 

そう言う時には、端のほうは惜しげもなくアラに落として、アラ煮やアラ汁に使うのが、今までの方法でした。

 

ですが、GW期間中は冷凍庫も満杯になって、なかなか保存のスペースが空かなかったので、昨日紹介した様な火を入れる料理に使いまわす様にしました。

 

もちろん、丁寧に掃除して刺身に使う方法もあります。

 

 

 

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春の訪れ <麦イカのお話>

麦イカとは、若いスルメイカの事です。

 

関東地方、特に相模湾などで水揚げされる若いスルメイカの時季と麦の収穫期が重なるため、「麦イカ」の名前があります。

 

土佐料理では、さほど多くは使いませんが、扱いとしては慣れています。

 

と言うのは、飯イカと言う卵をびっしりと抱えた子持ちの小イカを、これからのシーズンにはガッツリ使いました。

 

まずは生の時に、墨を外します。

 

割り箸の先を細く削って、ピンセットの様に加工したものを使って、イカの胴体から、箸先を差し込んで摘まんで引き抜きます。

 

そして、足先を揃えたら軽く塩を振って、静かに沸かした湯に1ハイずつ、落としていきます。

 

一気に・・がさっと入れると、湯の温度が急激に下がるため、沸かした湯を沸騰状態でキープしながらポツン・ポツンと落とし込んでいきます。

 

 

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つつましい努力 <マグロのお話>

我々、和食の人間がマグロを使う時、大きな塊からサクに取り、そこから刺身に造ります。

 

これはスーパーの魚売り場に並ぶマグロでも、同じ事でしてサクで売られている物をよく見かけるので、ご理解頂けると思いますが、

 

実は魚屋さんの、あのサク・・・。

 

我々から見ると、とても使いづらいサイズです。

 

と言うのは、大体の場合にサクの幅が広すぎて、そのまま刺身に造ると長過ぎて食べにくい、見てくれもあまり良くない刺身が出来上がります。

 

この習慣には訳がありまして、マグロをメインに使う寿司屋さんの影響が強いです。

 

 

 

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贅沢気分の庶民素材 <銀ふぐのお話>

先日は久しぶりに丸のふぐ、しかも大きいのを2本仕入れて、営業をこなしながらの仕込みました。

 

アジの姿造りを4本、ご注文で造りつつ・・他の刺身オーダーもぽんぽん入ってきまして、その間にばらして、身を磨き、皮まで引いて。

 

そして翌日は、ビシッと鉄刺を・・・と言うところで水曜日。

 

当日はお休みを頂きました。

 

とは言え、ご安心ください。

 

 

銀ふぐと言う毒のない種類、気軽に楽しめる庶民のふぐでして。

 

ですが・・・いくら毒の無いふぐとは言え、丸のふぐを仕入れてばらしてお出しするとなると

 

免許が必要です。

 

 

 

取り扱う認証も必要で、どこでもお出しできると言う品ではありません。

 

 

 

 

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美しい味わいが、生まれるところ <カマのお話>

魚の鰓の後ろ、胸鰭から腹鰭にかけて筋肉と、入り組んだ骨の部分をカマと呼びます。

 

入り組んだ骨・・と書きましたが、実は大きな筋肉が存在し、食べる時の苦労としては、比較的少ない。

 

つまり、骨があっても身離れが良く大きな身が、ごそっと取れるので食べやすい部分です。 

 

加えて、胸鰭を動かす時の筋肉や腹身に蓄積される脂肪とのバランスもよく食べて美味しい部分です。

 

「カマ」の語源はと言うと、胸鰭から腹鰭にかけて骨を避けながら胴体になるべく身を残すように包丁を入れていくと、鎌形になった骨付のアラが取れます。

 

 

 

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自然との仕事 <メジナのお話>

メジナ、土佐・室戸では「グレ」と呼びますが、一般にはさほど美味い魚との認識はありません。

 

鯛に似た体形で、頭も口も小さく歩留まりの良い魚で釣るのが難しく釣り人には人気の磯魚です。

 

ただし、春から夏にかけてのメジナは磯臭さが残るため、冬のほうが美味いとされています。

 

それは冬場は脂も乗りますし、餌が海藻や海苔に変わる為と言われています。

 

築地市場では年間を通して、見かけることがありますが比較的、安価で手に入ります。

 

 

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もっと楽しみたいから、伝えます <ムツのお話>

漢字で書くと「睦」と言う字の「目」を魚偏に変えた字「鯥」です。

 

元々は脂っこい、油気が多いと言う意味があり、他にも「ムツル(群がる)」が語源と言う説もあります。

 

日本全国、東北から九州で水揚げされ、成魚になると体長は50cm以上、体重は20kgを超えるものもあります。

 

水深300m~500mと言う深いところにいますが、幼魚の時は湾内の

比較的浅い場所で生息し、体色は淡黄褐色で口の中が白いのですが、成魚になると口の中が真っ黒になり、体色も紫黒色となります。

 

身質は脂を豊富に含む白身で、火を通しても硬く締まらない、柔らかい食感が煮ても焼いても、そして刺身でも美味しい理由です。

 

また仙台あたりでは、伊達陸奥守(だてむつのかみ)と同じになる事を避けてムツと六つをかけて「ロクノウオ」と呼んだと言います。

 

漢字の鯥は、睦まじいから考案されたとの事です。

 

 

 

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ひょいと、プロテク <ふぐの取り扱いⅡ>

高価な素材と言うことで、ふぐの取り扱いには細心の注意を払いますが、一般の魚とは、若干取り扱いが異なる部分があります。

 

普通の魚なら、鱗を取り去り腹を開けて、内臓を除いたら、そこで水洗い。

 

以降は、きれいに水を拭き取ってアラに叩いた後は、水気を切ったままで取り置きます。

 

兜などは割ったあとに、口の内側など洗い直すのが基本ですが、他の部位に至っては、ほぼ水気を切った状態での扱いが基本です。

 

しかし、ふぐの場合は違います。

 

 

 

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最後に真価がモノを言う <アナコンダ(クロアナゴ)のお話>

以前、東京湾に棲むアナコンダこと、クロアナゴのお話をお伝えしました。 

 

クロアナゴ? なんていう人も多いかと思いますが、普通に食べている穴子は真穴子です。 

 

それに対して、こんな穴子がいます。

 

  ↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓ 

http://www.zukan-bouz.com/unagi/anago/kuroanago.html

 

その風貌からか、「アナコンダ」なんて呼ばれている様ですが、当時はテレビの番組で紹介されたりして、けっこう有名になりました。 

 

時たま築地に入荷した活け締めのクロアナゴを我々も、こんな料理に仕立てていました。

 

「穴子とアン肝のリエット」

 

 

 

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好奇心、コカンへ <石鯛のお話>

「石鯛」はイシダイと読みます。

 

イシダイ科の海水魚で「鯛」とありますが、真鯛とは別種の魚です。

 

釣り人たちには人気の磯魚でもあります。

 

分布は北海道以南に棲む沿海魚でどちらかといえば暖海魚で、白と黒の横縞を走らせた姿は大変に個性的だから、記憶にある方も少なくないのでは。

 

その外見から、ズバリ「縞鯛」の名もあります。

 

でも実は、この縞模様は成長するにしたがって薄くなり成魚になると雌雄を問わず模様は殆ど消えてしまいます。

 

そして、もうひとつの特徴。

 

それは嘴(くちばし)。

 

餌を噛み砕くための多数の臼歯の間に石灰質が沈積して出来た鋭い嘴があり、口自体は決して大きくありませんが歯の威力は凄まじく、

 

 

 

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見つめられたい、技術格差 <ふぐの取り扱いⅠ>

ここ数年で、居酒屋でふぐを扱う店が増えました。 

 

なんて言う事のない、チェーンの居酒屋でもゴマフグやショウサイフグ、サバフグを使って、ふぐの唐揚や焼物を提供しています。

 

と言うのは、法律が変わったからです。

 

ふぐ調理師がいない店でも、除毒済みのふぐなら扱っても良い事になって、数年が過ぎました。 

 

フグと言えば、猛毒を含む種類もあれば、除毒が不完全だととても危険な食材であります。

 

ただし、日本の流通事情を考えると・・・

 

除毒済みのふぐを扱って、食中毒を出す方が難しい(笑

 

 

 

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技が光るね。身も肝も。 <カワハギの刺身>

さてカワハギ自体は、実はふぐの仲間です。

 

ググってみると、

 

硬骨魚類条鰭亜綱新鰭区棘鰭上目

スズキ系フグ目カワハギ科カワハギ属   

 

なんて事が出てきます。 

 

卸す時も、固い皮を剥いて三枚に卸し、身皮と呼ばれる皮を除いて、刺身にします。 

 

ふぐもそうですが、この魚の仲間には身に目がありません。

 

 

だから、刺身にする時は造りやすい向きで、見栄えのする造り身を目指すのですが、この魚は歩留まりの悪い魚なのでけっこう苦労します。 

 

 

 

 

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極上素材の黄金分割 <天然真鯛・三種の鍋>

天然真鯛を使った三種の鍋を、ご紹介しましょう。

 

「鯛スキ、鯛チリ、鯛しゃぶのお話」です。

しゃぶしゃぶは、もう皆様・・簡単に理解される事でしょうが、スキ鍋、チリ鍋の違いをご説明する機会が、接客をしていても多々あります。

 

スキ鍋は、味の付いた出汁で仕立てる鍋物です。

 

魚スキと言うと、割合濃い目の味わいで仕立てて、さっと火を通し周囲に絡んだ味わいで魚や野菜を楽しむ仕立て方ですが、現在では様々な解釈から、優しい味わいの出汁で仕立てる鍋が主流です。

 

蟹スキなどを思い浮かべて頂くと、分かりやすいかと思います。

 

混同するものには、沖スキと言う仕立て方もあります。

 

これは、漁に出た漁船の上で沖の海水を使って仕立てる鍋で、やはり濃い目の味わいの出汁で、手早く火を通し鮮度の良い魚を味わう鍋です。

 

 

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「不器用」に注目 <ヤガラのお話>

「ヤガラ」と言っても、なかなか一般の方には馴染みのない魚ではありましたが、あの<さかなクン>が、ラジオ番組で紹介したらしく美味しい魚として、現在・・注目を浴びつつあります。

 

では、ヤガラとはどういう魚かと言いますと、ひと口で言えば「珍魚」です。

 

我々がヤガラと呼ぶのは、一般的にはアカヤガラのことです。

 

アカヤガラの他にもアオヤガラと言うのがおりますが、不味いという事で市場には出回りません。

 

アカヤガラと言う魚は、体長が1.5m~2mくらいの細長い胴体の魚です。

 

文字通り、赤い胴体で驚く事に体長の半分近くは、頭部で・・しかも「口」。

 

それも「嘴(くちばし)」です。

 

 

 

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艶めかしい舌触り <莫大海のお話>

「莫大海(ばくだいかい)」はアオギリ科の植物の種子で、日本料理では「莫大海」と呼ばれますが、中華料理にも使用される薬膳素材です。

 

殻に覆われた種子を水に漬けると殻が破れ、中から藻の様な粘液で

包まれた柔らかい状態の果肉が出てきます。

 

この果肉を、和食の世界では酢物や刺身の褄として利用します。

 

薬膳に使用されるほどなので、熱や乾燥による喉の痛みや、咳を鎮める効果があります。

 

御節の一品も、ゼリー状の粘液質で覆われた喉越しの良さを生かし、同時に、年末年始の乾燥して風邪を引きやすくなる時期には相応しいと想い、献立に入れました。

 

もし、凝った料理屋などで見かける時があったら、そんな効能を思い出して

お楽しみ頂けたら効果もいっそう高まるかと。

 

さて、和食ではシンプルな使い方ですが中華料理では、その戻し汁を重視する

傾向があります。

 

エキスが染み出た、栄養豊かな戻し汁を使わないのはもったいない事ですから。

 

中華料理で、よく仕立てられるデザートを紹介しましょう。

 

莫大海は中国では膨大海(ボンダァハイ)と呼びます。

 

戻し汁と、果肉を別々に取り置き、戻し汁には砂糖と蜂蜜を加えてひと煮たち。

 

仄かな甘み、かと言って決して薄過ぎるのは、莫大海自体に味わいが、さほど

ありませんから、似合いません。

 

上品かつ、適度な甘味で調えたシロップを戻した莫大海に、熱々のうちに

かけて、そのまま数分ほど蒸します。

 

莫大海にも仄かな甘味が沁みこんで、ゼリー状の部分の食感が更に良くなります。

 

そのまま冷やして、フルーツの賽の目切りを浮かべたら、それで完成です。

 

フルーツはマンゴーや、パパイヤなど南洋系の物が合います。

 

莫大海、決して手に入りやすい素材ではありませんが、もしどこかで

お買い求めになられる事がありましたら、簡単なレシピなので試してみては

いかがでしょう。

 

 

 

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すずしろ大集合! <大根のお話>

「すずしろ」とは・・・「大根」の事です。

 

我々の生活にとって、大根ほど馴染みのある野菜は他にないと思います。

 

四季を問わず煮物、塩漬け、糠漬け、粕漬け、噌漬けに始まり、酢物や最近ではニンニク醤油に絡めて粉を打って揚げる竜田揚げなども人気のレシピです。

 

他にも切り干しや割り干しの様な保存食としての乾燥品や、そのまま繊切にしてサラダにと、実に応用範囲の広い野菜です。

 

 

大根は全国的に栽培され、品種もたくさんあることから、

一年中なにかしらの品種のものが出回っています。

 

 

 

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幼らよろこぶ「すずな」 <蕪のお話>

「すずな」とは「蕪(かぶ)」のことです。

 

一説によれば、温帯ヨーロッパが原産地という事でヨーロッパの海岸地方には野生状態のものがあると言います。

 

もっともこれには異論があり、西アジア、とりわけアフガニスタンを中心にした地方が原産地で、それが西及び南ヨーロッパに伝わったとも言われていまして、はっきりした所は未だに不明です。

 

いずれにしても紀元前からヨーロッパではすでに栽培されていたと言う事。

 

初めは菜種に近いもので、その後地下の蕪が肥大するものへと改良されました。

 

 

 

 

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もう一つの出世街道 1斗~1俵ブリ <鰤のお話>

正月の魚、「鮭」と「鰤」。

 

東日本の「鮭」、そして西日本の「鰤」は長野県を境界にするといわれます。

 

鰤はご存知のとおり回遊魚で、正月の頃に西日本の海に現れます。

 

その鰤が長野県の北安曇辺りでも正月魚として珍重されるのは、塩の道を通って、塩や塩魚を運んだ商人の影響とされています。

 

寒ぶり一本、米一俵

 

鰤は出世魚とよばれる縁起のよい魚であると同時に、流通の段階で値段がどんどん高くなっていくという出世もします。

 

 

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ドラマチック・サーモン <鮭のお話>

武内などは子供の頃から、東京で育ったので正月の魚と言えば、

やはり荒巻鮭(新巻鮭)を1番に思い浮かべます。

 

鮭の漢字、これがまた伝わる段階で誤用されたとの説が濃厚です。

 

「鮭」と言うと、元々はフグまたはお惣菜を意味していました。

 

正しくは魚偏に生まれると言う字「魚生」を書くのがサケを意味する

漢字です。

 

いつの頃からか鮭の字を使って、それが一般的に普及したとの事。

 

馴染みの深い魚にしては、どうにも納得のいかない話です。

 

さて日本の食文化に於ける「鮭」の歴史は、遠く平安期に遡ります。

 

 

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味な正月の炙り肴 <バチコ>

昨年の御節には、カラスミを入れる事が出来ませんでした。

 

ボラの卵の高騰で、手が出なかったのですが、代わりに添えたのが

「バチコ」です。 

 

海鼠(ナマコ)の卵巣を干したもので、三味線のバチに似た形から、

その名の由来があります。

 

干しこの子とも呼ばれますが、これが酒のアテには絶好の珍味です。

 

昨年の御節を買われた方には、小さいながらもこの「バチコ」をお楽しみ頂きました。

 

でも、今年は少ないながらもボラの卵が確保できまして、自家製の唐墨造りもなんとか恥ずかしくない量を仕込む事が出来ました。

 

当然、御節の中にも唐墨が入りますが、昨年の好評を考えて、「バチコ」も詰めさせて頂く事としました。

 

 

 

 

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繊細一路のクライマックス <金柑のお話>

金柑と言うと、子供の頃にはさほど好きではなかった柑橘ですが、大人になったら、何とも言えない苦味や酸味、甘味のバランスが柑橘の中でも大いに好みになりました。

 

年齢と共に嗜好が変わる。

 

そんな実感が、楽しめる素材です。

 

さて、金柑の栄養価・・・これは侮れません。

 

皮ごと食べる金柑は、その皮部分に豊富な栄養価を含んでいます。

 

ビタミンC、カルシウム、それに苦み成分や色素の成分は抗酸化作用があり、これらの栄養素が、それぞれ協力して活性酸素を撃退し癌や老化を予防します。

 

 

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真クエでブランド信仰やめました <クエのお話Ⅱ>

店内に1台、この鍋が始まると特徴的な香りが店全体に漂い始めます。

 

おそらく店内にいるお客様は気づいていないと思いますが、外からいらした方は、その食欲を刺激する匂いに圧倒される筈です。

 

もちろん、「クエ鍋」のお話です。

 

今回、久しぶりに純然たるクエを使い、このクエこそ「クエ」だと言う、素材でクエ鍋を仕立てましたが、多々反省する事がありました。

 

その認識をシェアさせてもらいます。 

 

20年近く、坐唯杏を営業してきて「真クエ」を使うことは数えるほどしかありませんでした。

 

 

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味蕾へのラブソング<鯔の白子酒>

白子酒・・と言えば、ふぐの白子で仕立てる鰭酒や骨酒の中でも最高峰と言われる非常に美味な仕立て方の燗酒です。

 

ふぐの白子と言えば天然物ならkgあたり2~3万円していても、全然驚かないと言う「超」がつく高級な食材です。

 

その白子を素焼きにして、蕎麦猪口や湯のみサイズの大きなぐい飲みに放り込み、綺麗な割り箸を使って、ひたすら突き崩します。

 

ペースト状になった白子に熱々の燗酒を少しずつ注ぎ、だまにならないように伸ばしていき、ちょうど良い濃度になったときに深呼吸。

 

 

気持ちを落ち着けて、熱々の酒が持った時にも感じられる様なぐい飲みを口の前まで持ってきたら、目を閉じてゆっくりとひと口・・・啜る。

 

 

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いよいよ公開!九つの絵 ・・「イギス」のお話

武内が厨房の世界に入る少し前までは、土佐の魚「クエ」と言っても誰も分かる人はいませんでした。

 

地元の人にだけ、こっそりと食べられている庶民の魚だったからです。

 

もちろん、そのお値段も庶民の味方。

 

Kgあたり数百円と言う価格で取引されていたと言うから驚きです。

 

 

 <クエ>

 

 

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睡魔を喰らう ・・海鼠(なまこ)のお話

 

すきものの歯のきこきこと海鼠たぶ   蛇笏

 

あの形を想像するに、どうしても食欲が湧かない・・・そんな方も多いと聞きますが、酒飲みから言わせて頂ければ、あの磯の香り・歯ごたえ・酢との相性などなど、絶好の肴です。

 

良くある話題では、初めて海鼠を食べた人の勇気を讃える言葉が聞こえてきます。

 

ですが、その歴史は古く生活の中にも深く入り込んでいます。

 

 

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ヌタのお話

ぬた・・と言えば、酢味噌和えです。

 

その食感や感触、見た目の印象から「ぬた」と言う名がある、、とも言われています。

 

 

まずは白みそ。

 

塩分の少ない京都の白みそが、好都合ですが手に入らない時は信州味噌でも、白っぽい田舎味噌なら、何でも構いません。

 

まずは、ざっくりと作ってみる事。

 

 

 

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穴子のお話

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里芋のお話

里芋の原産地は熱帯アジアと言われていまして、紀元前3000年には、すでにインドで栽培されていたとの説が有力です。

 

日本に入ってきたのは稲よりも歴史が古く、縄文時代中期にはすでに存在していたと言う説もあります。

 

里芋の語源は、ヤマノイモに対しての里の芋で「サトイモ」です。

 

 

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鯵(アジ)のお話

アジの語源は味が良いから・・と言うのは、我々職人の中でも通説になっています。

 

確かに秋刀魚や鰯など同じ青魚に比べると、ひと味勝る気もします。

 

アジの仲間は日本近海には多くて、一般的に「アジ」と言われる真鯵を筆頭にムロアジ、オアカアジ、シマアジなどが良く見かけられます。

 

ですが、土佐・室戸から直送で魚を仕入れる様になって、あらためてアジ類の魚の多さに気づきました。

 

アオカガミアジ、ギンガメアジなど、一般に知られていないアジ類の魚も非常に美味です。

 

 

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南瓜のお話

「カボチャ」と言う名前は、戦国時代の末期にポルトガルの船が日本にやってくる際に、寄港地であったカンボジアから渡ってきた事が、命名の由来です。

 

とは言え、日本カボチャ・・・和南瓜の原産地はメキシコとの事。

 

後に開国の際に日本に入ってきたペルー原産の西洋カボチャに栽培の中心は移ります。

 

和南瓜は、やや水分が多くホクホクした食感では西洋カボチャに劣ります。

 

 

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鰹の目利き

カツオと言う魚は、面白い素材です。

 

高価な仕入れをすれば必ず美味しい鰹に巡り合うかと言えば決して、そうではなく。 

 

だからと言って、安い鰹に良い鰹が無いかと言えば、それも間違い。 

 

つまりは、安くても美味しい鰹は美味しいし。

 

高くてもダメなものはダメ・・と言う、恐い食材なんですね。 

 

だからこそ、目利きが物を言いますし。

 

仲買いとの信頼関係が、仕入れに大きく影響します。 

 

仲買いも、いくら安く仕入れても良いものは高く売りたいし、高く仕入れたものは物が悪くても、高く売りたい。 

 

商売とは、そんなものですから・・

 

良いものが安く入る、なんて言うのは奇跡に近い事です。 

 

とは言え、そういう奇跡もたまに起こるから仕入れは楽しいんです。 

 

スーパーの鮮魚売り場で、本当に良い魚を見かける事も、全く無いわけではありません。

 

 

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ウルメイワシのお話

ウルメイワシと聞いて、すぐに思い浮かべるのは丸干しではないでしょうか。

 

ですが、この魚、漁師に言わせれば刺身にして1番美味いとの評価もあります。

 

1番』と言うと、我々和食の職人の口からは、なかなか言える言葉ではありませんが、マイワシとウルメイワシを比べれば、確かにウルメイワシに軍配は上がるという認識もあります。

 

築地市場においても、物によってはマイワシよりも高値で取引される事も多々あります。

 

 

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大根おろしのお話

大根オロシと言うと、我々の若い頃は、料理屋にあっては細かければ細かいほど、丁寧な仕事、と言うような認識がありました。

 

卸し金に対して、皮を剥いた大根を垂直に当てて、ゆっくりと力をあまり掛けずに、細かい方の目で卸していました。

 

でも、ある時期から粗い大根オロシにも、魅力があるとの認識に変わってきました。

 

鬼オロシと呼ばれる、洗濯板よりももっと尖った粗い木のおろしを使って、卸すと言うよりも、細かく割っていくような大根オロシにも適材適所で使えば魅力がある。

 

プロの間でも、そんな認識に変わって来た様な気がします。

 

 

 

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或る日の『鰤(ブリ)』

昨日仕入れた鰤(ブリ)は絶品でした。

 

青森、北海道沖の太平洋側で水揚げされたものでしたが、頭が小さく、胴体が太くて、身には脂がきっちりと乗っていて、食べた感じが、凄く濃厚、そしてとろっとした味わいには、思わず、身震いしました。

 

鰤と言うと、やはり日本海側のイメージがあって、日本海の荒波に育った鰤だからこその味わいと思われがちですが、太平洋側にも鰤はいます。

 

鰤は冬場には暖かい海に移動して産卵をしますが、やはり産卵前の栄養を蓄えた時期が最も味わいの良い時期でもあります。

 

とは言っても、やはり自然のものなので、その個体差は大きく、頭が大きく胴体はスリムで、脂の乗りの少ないタイプや、

 

 

 

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マグロの皮

マグロの皮、なんて言うと、余り馴染みは無い素材かもしれません。

 

こう言う部分を貯めておいて、しっかり料理に使う店と言うのも最近は、随分少なくなった気がしますが、それでも町の寿司屋さんやカウンターの割烹なんかでは、料理の合間に軽く小鉢に盛って出てきたりします。

 

マグロの皮と言うと、何百キロもある魚体の魚ですから、皮にも厚みがあります。

 

魚の皮って、サッと火を通すと弾力があって美味しかったりするのですが、このさっと火を通すというのが、分かっていない場合が良く有ります。

 

例えば河豚の皮でもそうですが、一瞬湯にくぐらせただけでは、弾力が有りすぎて、余り美味しく無いんですね。

 

やや透明感が出てきて、少し手触りとしてはねちゃねちゃ、くっつく位まで火を通さないといけません。 

 

マグロの皮も同様で、厚みがある分、火を通す時間は、やや長めになります。 

 

マグロももちろん魚ですから、皮には鱗がついていますが、茹でている間に全て落ちてしまいます。

 

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サエズリのお話Ⅱ

サエズリと言うのは鯨の舌です。

 

厚い硬い皮に覆われていて、中は脂身です。

 

調査捕鯨で捕獲されるイワシクジラの物が入荷しましたが、イワシクジラだと、まだ使いやすいです。

 

これがミンクだと厚みも無く、皮を掃除したら幾らも取れない時があります。

 

それは単に鯨の大きさの問題でして、ミンクの様な小型の鯨だと当然ながらサエズリも小さくなると言う訳です。

 

ただし、ミンクの場合は小さな鯨の割に食欲が旺盛で、生息域がかぶっているナガス鯨や白ナガス鯨が増えないと言う原因にもなってます。

 

 

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中骨のお話

武内がアップしているyoutubeの動画に、どっかの職人の端くれなのかな、アラを大きく落とすのが、もったいないとか、その部分で刺身が1人前、造れるとか・・

 

まぁ、素人に近いというか、経営的な考えが無いと言うか、

 

非常に対応に困ります。

 

まぁ、仕方ないので無視する事にしていますが、匿名での書き込みで批判的な事だけを書いてくる人間は、それだけの人間でしかありません。

 

ネットの世界を、いまだに便所の落書きのように使う輩の多いのは、

悲しい事です。

 

 

 

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零余子(むかご)のお話

「むかご」って、何ですか?

 

昔、働いていたアルバイトの女の子に質問されて、ムカデの卵だよ、って答えたら、お客様に笑顔で、

 

「ムカデの卵ですぅ!」

 

って、伝えていました。

 

お客さん、「ポカ~~ン」の瞬間でした。

 

そんな笑い話も坐唯杏の歴史にはありましたが、山芋の蔓にできる、子供です。

 

この小さな芋が地面に落ちて、また山芋になっていくと言う事です。

 

田舎の子供なら、必ずむかご採りに行った記憶があるのではないでしょうか。

 

そう言う武内も、東京で育った割には、むかごの付いた蔓が容易に思い出されます。

 

と言うのは、東京でもちょっとした所で、よく見かける物なんですね。

 

線路際の、柵に絡まった山芋の蔓には、練馬区あたりでも良く見かけられたものでした。

 

 

 

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大根の葉

以前、dancyuの企画で大根を、とことん使い倒して料理を作るという記事に協力させて頂いた事があります。

 

その時は大根の事を、一から調べなおして、色々と料理を提案したのですが、その時の勉強で印象に残っている事。

 

それは、大根は根よりも葉のほうが、栄養価が高いって事。

 

最近は流通の事情で、葉を外して箱に詰めるのが主流で、なかなか、立派な葉っぱを目にする機会はありません。

 

でも、練馬区のJA・直売所に仕入れに行く時は、大きな葉をつけた大根を、よく目にします。

 

これを、使わない手は無い・と言う事で始めたメニューがジャコ大根と言う一品でして、大根と言っても、使うのは葉だけ。

 

 

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伊勢海老とロブスター

国産の伊勢海老に、そっくりなロブスターって言うのがあります。

 

ロブスターとひと口で言っても、産地によって全然、顔つきから味わいまで差があります。

 

そして伊勢海老に近いのが、オーストラリアのロブスターです。

 

土佐料理の修行時代は、皿鉢料理の中心に伊勢海老の煮物が来るため、嫌・と言うほど、このオーストのロブを扱っていました。

 

他の産地ではニュージーランドやアフリカがありますが、オーストに比べたら外人に見えます (笑

 

また、ニュージー産のは、若干ミルキーな匂い、まぁ、悪く言うと

乳臭い匂いがありまして、、ちょっと気になる時がありますね。

 

画像は国産伊勢海老

 

 

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「○十」のお話

「○十」 ・・・ 何がなにやら、さっぱり分かりませんよね。

 

丸十(まるじゅう)の事です。

 

つまり、サツマイモなんですね。

 

夏のコースで甘味に使っている○十のコアントローコンポートは、なかなかの仕上がりです。

 

オレンジの酸味を利かせたシロップで蜜煮にする仕事は良く見かけるかと思いますが、コアントローを使うのはあまり聞きません。

 

むしろ、コアントローは柿には、良く使います。

 

 

 

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ニンニクのお話 Ⅱ

土佐料理でたたきと言えばニンニクのスライスは欠かせません。 

 

坐唯杏のニンニクを見て頂くと分かるんですが、大粒のとても良いニンニクを使っているのが分かると思います。

 

ニンニクも他聞にもれず中国産が幅を利かせています。

 

と言うのは、国産のニンニクに比べたら下手をすると1/10程度の価格で買えてしまうからです。

 

国産のニンニクが高いとkgあたり¥2000ぐらいしますが、中国産だと¥200ぐらいの時もあります。

 

 つまり 1/10 具来の価格と言うわけです。

 

 

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ニンニクのお話 Ⅰ

土佐料理を長く、やっていたと言う事もあり、ニンニクには馴染みが

深い武内です。

 

和食でニンニクと言うと、余りピンと来ないかも知れませんが、土佐の

たたきには必ず、スライスのニンニクが添えられています。

 

ニンニク、漢字で書くと大蒜と表します。

 

けっこう、八百屋にも通じない漢字なんですが、割合若い頃からこの漢字には馴染んでます。

 

さて、スーパーなどでは中国産のニンニクが、よく売られています。

 

だいたい、1kgあたり2~300円、とってもお安く売られているので

勘違いしがちですが、国産のニンニクですと、桁が違います。

 

 

 

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シラスのお話

「海鮮丼」の記事の時も、シラスは必ず欲しい素材と書かせて頂きました。

 

カルシウムを多く含む、健康的な食材ですからね、つねに食事の時には摂るように心がけてきましたが、何日か食べない時があると、無性に欲しくなる、武内の中では、そんな惣菜に感じています。

 

本店のランチタイムには「三色シラス丼」なんて言うメニューを提供していますが、その三色には、釜揚げシラス、シラス干し、そして、ちりめんの山椒煮を使っています。

 

ちりめん山椒煮も、本来なら「ちりめんジャコ」、シラスとは似て非なるものを使うのですが、シラスで炊くほうが柔らかく美味しいのでは、と言う感覚でシラスにて仕込んでいます。

 

釜揚げとは茹でて、そのまま茹でたものをザルに揚げて、水気を切っただけのものですね。

 

シラス干しは、その釜揚げを天日で干して、更に水分を蒸発させて味わいを凝縮させながら、保存性を高めたものです。

 

 

 

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アン肝 Ⅱ

また、アン肝かぁ。

 

なんて言う声も聞こえてきそうですが、最近、アン肝の処理をしていて、アン肝にとって、とても大事なことに、あらためて気づきました。

 

まぁ、昔からけっこう気にしていた事なんですが、ある仮説をたてて検証してみたら、これが思いのほか、上手くいって・・・

 

もったいぶらないで、結論から書きますと、肝を蒸す時の火加減、これが仕上がりに絶大な影響を及ぼすと言う事です。

 

ある程度の強さの火でしっかりと火が入るようにと、けっこう時間を長めにとって蒸していましたが、アン肝にスが入った様にぶつぶつした

穴が開き、食感が著しく悪くなる時があります。

 

 

 

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アン肝 Ⅰ

アン肝、言わずと知れたアンコウの肝です。

 

アンコウは「鮟鱇」なんていう漢字を書きますね。

 

深い海に潜んでいては、目の前に垂らしている提灯に小魚が集まったところを、大きな口で丸呑みにします。

 

貪欲で食欲の旺盛な魚ですね。

 

さて、その肝ですが、やはり他の魚と比べたら肝の大きさが違います。

 

魚体に対しての肝の割合が非常に大きい、人間にもあれほど大きな肝臓が備わっていれば、もっとお酒が呑めるかも・・・なんて言うのは

素人考えでしょうね。

 

 

アンコウ以外で、あれほど美味しそうな肝を持ってる魚は、まず居ない・と書きたいところですが、実はアンコウよりも美味しそうな肝、もちろん見た目だけのお話ですが、持っている魚がいます。

 

 

それは武内の知る限りでの話ですが、河豚。

 

河豚の肝は、本当に美味しそうな肝ですね。

 

でも、残念ながら未だに味を見るには至っておりません。

 

 

さて、そのアン肝ですが、お皿に盛り付けられるまでを、簡単に説明すると、水で良く洗い流しながら、薄皮の下や細胞の中を通っている血の筋を掃除します。

 

血が残っていると、臭みや雑味の原因になります。

 

掃除が終わったら、やや強めの塩を振りかけて、しばらく置きます。

 

時間にして小一時間と言うところですね。

 

大きなものなら、塩を振る前に適当な大きさに切り分けてから塩を

当てた方がベターです。

 

 

 

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鍋の豆腐のお話

さて、鍋にお豆腐と言えば定番ですが、多くの方は最初の方でお豆腐を入れてしまい、しっかりと煮えたころにふぅふぅしながら食べる。

 

そんな事が定番かと思いますが、実は、この食べ方は、あまり賢い食べ方とは言えません。

 

豆腐の旨味と言うのは、ある温度を超えた時点で、感じなくなる様な気がします。

 

気がします・・って、ずいぶんアバウトな言い方なんですが、出来たての豆腐を食べて美味しいと感じる時も、沸騰している様な温度では豆腐は作らないんですね。

 

高くても70度とか80度位が限界です。

 

 

 

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納豆のお話

月曜日の朝、脳血管系の発作で倒れる人が統計上は1番多いそうです。

 

日曜日にゆっくりと休んで、あ~ぁ、また1週間仕事だぁ、、、なんて

思いながら支度をしていて、そのままバタン。

 

本当に、怖い事です。

 

そんな事で、以前も納豆の話題を通信に書いた時は、日曜日の夕飯で納豆を食べる事を強くオススメしました。

 

脳に出来た血栓を、納豆菌が強力に溶かすんです。

 

それが食後8時間ほどの時が効果が高い様で、日曜日の夕飯で納豆を食べておけば、月曜日の朝、倒れる確率はぐんと減ります。

 

晩酌で一杯やるひとは、マグロ納豆やイカ納豆など刺身系の肴と

納豆を合わせたら良いですね。 

 

良く、こんな話をしていると納豆さえ食べていれば病気にならないとか盲信する人もいますが、例にもれず実は納豆さえ食べていれば、、と言うのは、正しくありません。

 

 

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芋のお話

「芋の煮えたもご存知ない」 ・・・そんな言葉があります。

 

一般の常識に疎い、世間知らずな人を表す言葉ですが、それほど

芋と言うと、日本人の生活には密着した食材と言えますね。

 

さて、一般的なのは里芋です。

 

本日は里芋系の芋に付いて、何種類かご紹介しましょう。

 

もう知っての通り、里芋のねっとりした食感と素材本来の味わいには、堪えられない美味しさがあります。

 

でも、芋類の中で1番、美味しいとされているのは、「海老芋」と

言う芋です。

 

 

 

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無花果のお話

不老長寿の実、なんて言われるほど、その効能は色々とあります。

 

肌や粘膜のトラブルに効いたり、胃腸病を防いだり、もちろん防ぐだけではなく繊維質の働きで、積極的に胃腸の働きを整えてくれたりもする、万能の果実です。

 

抗がん効果や美容、活性酸素の増加を抑えたり、消化酵素の働きで、消化を助け、アルコールの分解にも効果があると聞いたらもうメニューに入れ無いわけにはいきません。

 

とは言え、やはり大切なのは、その味わいですが独特の風味が醸す個性的な味わいは、実はお酒のアテとしても充分に、その力量を発揮してくれる素材であります。

 

 

 

 

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秋刀魚の歌・句

日本の秋刀魚漁の発祥の地は、和歌山県と言われています。

 

少し意外な感じがしますが、有名な「秋刀魚の歌」を残した佐藤春夫さんは紀伊の出身との事です。

 

さんま、さんま、

そが上に青き蜜柑の酸をしたたらせて

さんまを喰ふは

 

その男がふる里のならひなり

 

・・と余すところなく、秋刀魚の食べ方や味わいが描写されているのが、大きな魅力の詩です。

 

 

 

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紫蘇のお話

先日より、樂旬堂・坐唯杏の刺身のあしらえが変わりました。

 

立て褄(たてづま)に紫蘇の実が付いています。

 

穂紫蘇とか、我々の仕事上での言い方だと束穂と言いますが、このあしらえの楽しみ方を知らない方が多いです。

 

茎から外し、粒ごとにばらして刺身の切り身で包んで食べたり、切り身の上に乗せて食べたりする、香りの良い褄物です。

 

紫蘇と言うと葉だけを想像する方も多い事と思いますが、実は芽の時期から、花、実と利用方法が多い和のハーブです。

 

赤紫蘇の芽は芽紫蘇(めじそ)や紫芽(むらめ)と言って、刺身のあしらえに使うと品の良い、彩り・香りが楽しめます。

 

 

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鯖節のお話

以前、鯖のお話でお伝えしましたが、世界中に鯖と呼ばれる魚は

三種類しか居ません。

 

マサバ、ゴマサバ、ノルウェーサバの三種類です。

 

そして鯖節に使われるのは、ゴマサバが殆どです。

 

和歌山県の地方名を正式な和名としたゴマサバは、東京以北では実は馴染みのない魚です。

 

と言うのは、ゴマサバは南方種なので、本州中部以南、フィリピンに掛けて生息しています。

 

ゴマサバをマルサバと呼ぶ別名がありますが、東北地方ではマルサバといえばマサバの事ですから、ややこしい理解が生まれます。

 

ゴマサバは晩春から初秋に掛けて食べ頃となりまして、冬の寒の頃に、旬を迎えるマサバに対して、時季のズレがあり、ありがたい事です。

 

さてさて、樂旬堂・坐唯杏でも使用している鯖節ですが、鰹節の様に

削っていない、そのままの形で目にする事は殆どありません。

 

マグロ、ソウダガツオ、イワシ、ムロアジなど削った状態で見かける事が殆どです。

 

 

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コリンキーのお話

大きさは、若干小さい500g~1kgの物が多いと言う若取りの

カボチャです。

 

赤皮系の品種を親に持つ、改良種でレモン色の鮮やかな色合いと

玉葱に似たとんがった形が特徴でして、見た目にも実に愛らしい、気分が明るくなる容姿で楽しませてくれます。

 

食べ方としては、何と言っても生食・サラダが一般的です。

 

昨日は、樂旬堂・坐唯杏でも最初の付き出しに、小柱とコリンキーの

サラダを使いました。

 

歯応えが良く、爽やかな風味が今の季節にはピッタリの食材です。

 

生食と言う事ですから、もちろんサラダ以外でも漬物にも向いています。

 

糠漬け、塩漬け、醤油漬け、あっさりと仕上げる味噌漬けでも美味しく召し上がれますし、生のまま冷たい汁物に仕立てるのも、風味があって絶好の素材です。

 

 

変わった所ではジャムに仕立てる事もあるとか。

 

生食用・カボチャと言う事で、料理人の創作意欲をかき立てる素材です。

 

栄養価も豊富で、ビタミンC、B1、B2を豊富に含み、βカロテンやカリウム、

鉄分、カルシウム、食物繊維が補給できます。

 

最近では、街のスーパーなどでも、ごく稀に見かける事があります。

 

もし、見かけた時は躊躇なさらず、お買い求めになってお使いになる事を

オススメします。

 

普通のカボチャと違って、包丁を入れるのも容易で皮ごと食べられると言う

調理する者にとっても優しい素材ですから。

 

 

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山葵(ワサビ)のお話

フランス料理は香りの料理、中華料理は炎の料理、そして日本料理は・・

 

当通信でも、度々・・本当に何度も何度もお伝えしている事ですが、

 

『水』の料理です。

 

その「水」が、最も影響する素材。

 

数多くある中でも、<山葵(わさび)>はその代表的な素材と言えます。

 

以前、勤めていたスタッフに

 

「本山葵を使いましょうよ、あの黒い粒粒が入っているのが美味しそうですから」

 

 

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トロロ芋のお話

トロロと言うと、やはりトロロ芋の事を連想すると思いますが、大昔、立ち食い蕎麦屋でトロロ蕎麦を頼んだら、トロロ昆布が入っていて、がっかりした事があります。

 

そんな詐欺みたいなメニューは滅多にありませんが、トロロ芋にも、幾つかの種類があります。

 

立ち食い蕎麦屋やチェーンの定食屋、ファミレスなどで、お目に掛かるのは、大抵の場合は長芋のトロロです。

 

トロロに使う芋といえば、4種類あります。

 

長芋、大和芋、つくね芋そして、自然薯(じねんじょ)です。

 

長芋はご存知の通り、漬物にしたり、千切りにしたりで居酒屋のメニューになってる、あの太くて長い芋ですね。

 

<画像はツクネ芋>

 

 

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カマスのお話

「本カマス」というの呼び名は、実は正式ではありません。

 

我々が一般的に食用とするカマスは二種類で、ひとつは「水カマス」。

 

そしてもうひとつが「油カマス」とか「本カマス」と呼ばれるアカカマスのことです。

 

水カマスはアオカマスとも呼ばれます。

 

水カマスに対しての本カマスという表現が、市場などで根付いた

ものです。

 

そのほかにもカマスには種類があってオニカマス、毒カマスは別名バラクーダと呼ばれていて、よく知られるところです。

 

その名の通り、強いシガテラの毒があって食用にはなりません。

 

 

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キノコのお話

温暖にして湿潤な気候の日本は、キノコの宝庫です。

 

季節の変化、朝晩の温度差、キノコが発生する条件を理想的に揃えていますから、その種類や質においても最高のキノコ産出国と言えます。

 

キノコを食べる歴史は古く、万葉集には松茸と見られるキノコが詠まれていたり、日本書紀にも・・

 

「わが古里の名物は栗茸とあゆ」 と、現在でも充分に通用するお国自慢が記されていたりします。

 

また江戸時代、大のキノコ好きで有名だったのは松尾芭蕉です。

 

芭蕉が亡くなる年、無名庵の落成を祝って尽力した門人を八月の

十五夜に招き、労をねぎらったとあります。

 

その時の献立が芭蕉の自筆で残っていて、松茸、初茸、シメジ、木耳などが供されたそうです。

 

 

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秋刀魚と按摩(あんま)

「秋刀魚(サンマ)が出ると、按摩(アンマ)が引っ込む」

 

そんな言葉を、ご存知でしょうか。

 

とにかく、それだけの豊富な栄養素を含む食材と言う例えです。

 

秋刀魚は冷たい水を好み、夏まではオホーツク海を回遊します。

 

秋になって寒流が日本列島の南部まで張り出してくると南下を始め、10~11月頃になると、三陸沖に達します。

 

この頃の秋刀魚が、1番味わいが良いとされていますが、最近の傾向では南下する前に獲られてしまい、なかなか丸々と太った脂の乗った秋刀魚が出回らなくなってます。

 

とは言え、タンパク質やビタミン類、カルシウムなどミネラルに富み、

中でも造血の役割を果たすビタミンB12の量は特筆ものです。

 

 

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ムツ・モツゴのお話Ⅰ

先日来、週末膳の献立で「モツゴ」と言う魚を紹介させて頂きました。

 

モツゴは、ムツの若魚。

 

 

非常に味わいの良い魚ですが、東京の方にはイマイチ、知られて

おりません。

 

ムツと言う魚をご存知の方は、夏場にムツの紹介、解説とは旬を知らないアホな記事と感じる筈です。

 

と言うのも、ごもっとも。

 

ムツと言う魚は「寒ムツ」と言う言葉もある様に、冬が旬の魚です。

 

 

 

 

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鯨・尾の身(尾肉)

鯨肉の最高級部位、<尾の身>
その味わいは、美しくも豊富な旨味に溢れ、鯨に対する観念を激変する事・・確実。

百聞は一食にしかず。

 

 

ぜひぜひ! ご賞味を。

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若布のお話

若布は和布とも書きまして、「ワカメ」の事です。

 

三陸産や、鳴門の若布が有名ですが、一般的な若布から

言うと変種だそうです。

 

本州沿岸には、至る所に一般的な若布が分布していますが

貴重な食用の海藻として、多くの人に慣れ親しまれてます。

 

一般常識的な知識ではありますが、我々が良く口にする、

三陸産などは変種と言うのは、案外知られていない事かも

しれません。

 

若布は昆布に近い褐藻類にあたります。

 

冬から夏にかけて、干潮線より深い岩場に生えます。

 

 

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筍について

春の一品。 

 

筍について、お話しましょう。

 

筍は茹でて、水に晒します。 

 

職人によっては、何時間も茹でて、茹でた時間と同じぐらい

茹で汁に漬けたままアク抜きをして、えぐみを全く感じない様に

仕立てる人間もいます。

 

 

かと思うと、武内の様にえぐみを多少、残した方が素材の味わいが

良く出る・・・と言う人間もいたりして、職人にその仕上がりは

まちまちと言う事です。

 

 

 

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鰹の値段

鰹の値段と言うのは、他の魚と決定的に違う所があります。 

 

それは、価格が高ければ必ず良いという事がありませんし、また安くても、必ず良くないものかと言うと、そうでもない所です。 

 

つまり、安くても良いものは良いし、高くてもダメなものはダメと言う実に仕入れ泣かせの魚でもあるからです。 

 

鰓の色や、尻尾の所を折って、身質を確認しますが、それでも外す時は外します。

 

 

 

 

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春の素材・筍のお話

坐唯杏では筍のアク抜きに、時間をけっこう短めに設定して

しかも、すぐに水にさらし、トコトン、アクを抜くと言う事を

しません。

 

 それでも、1時間程は茹でますし、炊くまでの保存期間も水に

漬けて、アクが抜けていきます。

 

 

糠と鷹の爪を加えた湯で、沸いてから1時間、それは決して短い

時間ではありませんが、昔の常識から言えば短い方です。

 

 

和食の古いレシピでは2~3時間は、ゆうに茹でていました。

 

 

 

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野蒜(のびる)

野蒜(のびる)と言うと、我々の子供の頃には、よく摘みに

いきました。

 

武内は子供の頃、北小岩・・・帝釈天に近い土地で育ちました。

 

おそらく、武内の幼い頃は農薬散布なども行われていなかったのか、

 

田圃の中には、ザリガニやドジョウ、あぜ道に大きな鰻が這っている

事も珍しくありませんでした。

 

そしてあぜ道に自生する芹や、この野蒜は汁の身に

なったり、おひたしや、ヌタとなって食卓に出たものです。

 

野蒜の「蒜(ひる)」と言う字は、葱やニンニクの総称で、野に生える

蒜と言う事で「野蒜」の名があります。

 

 

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サエズリのお話Ⅰ

 

サエズリと言うのは鯨の舌の事です。

 

厚い硬い皮に覆われていて、中は脂身です。

 

調査捕鯨で捕獲されるイワシクジラのサエズリを仕入れていますが、

イワシクジラのサエズリは・・・使いやすいです。

 

これが例えば、ミンククジラだと小型の鯨の為、厚みも無く、皮を掃除したら幾らも身が取れない時がありまして。

 

それは単なる鯨の大きさの問題ですが、もうひとつ事情があります。

 

ミンククジラの様な小型の鯨だと、当然ながら舌も小さく、薄くなると言う理由に加えて、現在、ミンククジラは増えすぎている状況です。

 

 

 

 

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鯔(ボラ)の基礎知識

鯔・・・ボラと言う魚は、ブリやスズキと同じで成長と共に

名前が変わる出世魚です。

 

身体は円筒形で頭は扁平。

 

前から見ると非常に愛くるしい、憎めない顔をしています。

 

背中は青黒色でお腹は白色。

 

こういう色合いの魚は、大抵の場合海面近くを表層の魚ですが、

鯔の場合は海底付近にいる事も多い魚です。

 

と言うのは、水底の有機物や珪藻、緑藻などを泥と共に食べる

性質があるからとか。

 

 

 

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鯨ユッケのお話し

鯨肉の最高級部位と言えば、言わずと知れた「尾肉」です。

 

尾の身とも言われ、鯨肉の中では最も柔らかく、脂の乗った部位、

マグロで言えば大トロの様な部位です。

 

この部位を、引き当てました。

 

 

鯨料理を伝える会・・・を経由して、調査捕鯨の副産物として

仕入れの申し込みをします。

 

 

もちろん人気の部位なので、かねてからの貢献度であったり、

真摯に鯨文化の発展に寄与する飲食店に卸される事になりますが、

 

 

今回は、樂旬堂・坐唯杏にも大量の鯨肉が卸される事になり、

鯨メニューが充実しました。

 

 

そして、尾肉を使ったメニューと言う事で、今回は「ユッケ」を提案

させて頂きました。

 

 

独自の割合で、ユッケのタレを配合し、より日本人好みの味わいを

実現できたと自負しています。

 

 

 

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牛蒡のお話

お節料理には、煮物や焼物、口取と言われる肴の他に、

祝肴(いわいさかな)と言う物が、必ず入ります。

 

 

黒豆、田作り、たたき牛蒡・・・が決まった三種でして、

この三種の他に、数の子や膾(なます)、きんとんなどがあります。

 

 

さて、そんな縁起物の野菜、細く長く健やかに…の願いを

込めた牛蒡についてのお話しです。

 

牛蒡と言う野菜は、祝い肴に入るに相応しい健康野菜です。

 

 

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松の内のトロロ

今回はトロロのお話です。

 

松のうちに食べれば中風にかからないと言われ、昔から賞味されて

きました。

 

 

中風と言う言葉も、我々の子供の頃は良く聞いた病でしたが、最近はあまり、耳にする事がなくなりました。

 

中風とは脳血管障害の後遺症による、半身不随や言語麻痺を指す言葉です。

 

中風を予防するとは、トロロに使う芋に含まれるコリンという成分が効力を発揮します。

 

 

 

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たまり醤油のお話

我々が使う料理には、何種類かの醤油を使い分けます。

 

色をあまり付けない料理には、淡口醤油を使います。

 

とは言え、関西の料理では本当に薄い色を好む場合が多いので

関東で売っている淡口醤油でも濃い場合があります。

 

そう言う時に、使うのが白醤油です。

 

この白醤油を使うと、ほぼ醤油色を付けずに味を付ける事が出来ます。

 

白醤油、淡口醤油の順に色が濃くなってきまして、その上が濃口醤油。

この醤油が、一般に流通している醤油です。

 

 

 

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四方竹の木の芽焼

春になると、毎年・・・ほんの僅かな時期だけ山形県の最上町、

ある農家の方から連絡が来ます。



それは「月山筍」が送れるけどどうする?と言う問い合わせです。



この方が採られる月山筍は、おそらく日本国内では最高の品と認識されてます。



月山筍は根曲がり筍の太い物でして、山形県・月山の周辺、ほんの僅かな地域で採れる天然物の細筍です。



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鯨の心臓・鯨ハツ刺身

鯨の心臓は、緻密な身質で、程よい弾力と滑らかな食感。

 

豊富な旨味の中に、仄かな甘味を感じると言う・・刺身には絶好の素材です。

 

鯨のハツ刺、ハート、心臓刺身・・色々な言い方はありますが、召し上がった方の一様の意見としては、もろに「レバー刺」なのです。

 

牛のレバー刺身が法令で禁止され、法に触れない豚のレバーを提供する店が現れると言う、バカバカしい現象も見られますが、

 

安心、安全で、しかも美味という、鯨の心臓があれば、実は全て解決します。

 

 

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クエの話

 先日、某テレビ局からクエの取材の打診がありました。

 

相当、焦っていたようで連休が始まってから、最中で撮影を含む取材がしたいとの事。

 

やんわりとお断りして、武内の修行先を紹介しておきました。

 

 

残念ながら、市場の休みの時に簡単に仕入れられるほど気軽な素材ではありません。

 

 

もちろん、仕入れルートも持っていますし、他の「クエ」をなんたるか理解していない店や職人に掛かるよりは、武内はクエの奥深い部分まで紹介できると思います。

 

 

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鯨の髭

坐唯杏の店内に、こんな物が飾ってあります。


少し画像が悪くて、分かりにくいかもしれませんが、これが鯨の髭です。


これが鯨の口には歯のように生えています。


鯨は大量に餌を食べますから、一匹単位で捕獲する、なんて事はしていられません。


たとえ、鰯や烏賊を食べる時でも群れの中に突っ込んで、海水ごと

丸呑みしてしまうんですね。



歯鯨と髭鯨では若干違うんですが、味わいが良いとされている髭鯨では海水ごと飲み込んで、髭を通して海水を吐き出します。


そうすると髭の内側には、細かいオキアミや魚が残りますよね。



それを、丸呑みするのです。




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鰹茶漬け

マグロ茶漬けや鯛茶漬け、お刺身用の切り身を胡麻の醤油にくぐらせて熱々のご飯の上に乗せ、淹れたての番茶・・これも熱々の番茶を注ぐと切り身が一瞬で真っ白になり、その旨味が滲み出て、

 

抜群の味わいのお茶漬けが楽しめます。 

 

中には、蓋をして蒸らす店があったり、色々な薬味を添えたり、逆に

シンプルに海苔と山葵だけ、なんて言う店があったりと・・・ 

 

各店の個性が出て、その仕立て方にも、その店の姿勢が反映されたりします。

 

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