<<イタリア蒸し>>

 今や樂旬堂・坐唯杏の一品の中では、最も人気の高い一品に育ちました。

 

チーズやトマト、ニョッキが中から現れる、鴨スープ仕立ての大きな茶わん蒸しが「イタリア蒸し」です。

 

マネーの虎の中島武社長が「これは本物だ!」と叫び、女優の水野真紀さんがひとくち食べて思わず微笑んだ。

 

日経レストラン・メニューグランプリ 準グランプリ受賞作品。

 

この作品のテーマは笑顔、多くの方を「笑顔」にした注目の一品。


<<茶わん蒸しの基本>>

さて「茶碗蒸し」と言えば、坐唯杏ではイタリア蒸し・鬼蔵蒸しと茶碗蒸しの仕立て方で、人気の品があります。

 

今回は基本的な茶碗蒸しについて、お伝えしましょう。

 

まずは具材ですが、鶏肉、三つ葉、椎茸、銀杏と色々思い浮かぶと思いますが、今日のテーマは有り合わせで作ることですから、その辺にあるものを適当に使いましょう。

 

鶏肉、ツナ缶、ハム、ベーコン、サラダ用の茹でた海老とかシーフードミックスみたいな物でも良いですし、鰻のタレ焼した物なんかも、軽くタレを洗ってしまうと、茶碗蒸しには良く合います。

 

野菜も椎茸、銀杏があれば、もちろん良いですが、シメジやエノキ、アスパラ、ブロッコリー、コーン缶や、冷凍のミックスベジタブルでも良いですし、グリーンピースや蚕豆、大豆の水煮、などの豆類、麩や高野豆腐などの乾物、木耳や乾燥椎茸などなど、有り合せでの応用範

囲は広いです。

 

 

注意しなくてはいけないのは生の肉の時は火が通らないと

危険ですから、鶏肉などは、最初に出汁で炊いてしまうか

本当に小さくきる事ですね。

 

 

あと、具材を揃えたら、下味の付いていないものは、醤油洗いを

することです。

 

淡口醤油で、なければ濃口醤油でも構いませんが、ちょこっと

醤油を垂らして、さっくりと混ぜて、余分な醤油は捨てて置くこと。

 

また少し時間が経つと水が出てきますから、それも必ず

捨てる事です。

 

さて材料の準備が出来たら、出汁です。

 

鶏肉など、最初に炊いておく場合は、この出汁も使います。

 

もちろん、出汁だけで炊きません、酒、塩、淡口醤油位で

吸い物より、ややしつこい目の味を付けておきますから、

茶碗蒸しには丁度良い味になる筈です。

 

もちろん、冷まして使うのはお約束ですから、くれぐれも熱い出汁は

入れないように。

 

さて卵と出汁の割合は、出汁・200ccに対して卵が1個と言うのが

基本ですが、我々のプロの世界では、もっと出汁が多いです。

 

2個3杯と言うのが、プロの基本でして、卵2個に対して、8勺のお玉で

3杯の出汁ですから、144cc*3で432ccですか。

 

だから卵1個に対して、216ccの出汁ですね。

 

まぁ、それ位は微々たる差です。

 

大事なのは、柔らかく仕立てる事ですので、この位の緩さが

好ましいと言う事になります。

 

分量の卵と出汁を入れますが、最初に卵だけしっかりと溶いて

置く事・・・これは大事です。

 

しっかりと割りほぐした卵へ分量の出汁を注いで、塩、味醂、淡口

醤油で味を調えます。

 

茶碗蒸しの器に具材を決めて、出汁を注ぎ、蓋をして蒸します。

 

弱火で大事に・大事にって蒸すと、かえって失敗する事が多いかも

しれません。

 

ここは中火ぐらいで、一気に蒸してしまいます。

 

火が強いと、器に接しているところや表面にスが入ります。

 

火が弱いと固まりません。

 

固まらないところを火が通ったか確かめるのに揺らしてしまうと、

もう絶対に綺麗に固まる事はなくなります。

 

恐くても一気にいきましょう、そう時間にして普通の茶碗蒸し

ぐらいの大きさなら、7~10分です。

 

だいたい、7分ぐらいでイケルと思いますが、心配なら7分蒸して

ぐっと火を弱めて、余熱に近い状態で火だけ入れれば失敗は

少なくなります。

 

そう、このときは蓋を少しずらして、極弱の蒸気にしておいても

良いぐらいです。

 

さて、これで、茶碗蒸しが出来上がりました。

 

お好みで木の芽や柚子などを、チラッと載せて、また微塵の

三つ葉や、貝割なんかも良いのかな。

 

後は熱々のうちに食卓まで運び、食べるだけです。

 

今日は茶碗蒸しについて書いてみました。

 

やっぱり長くなっちゃいます。

 

まぁ、手間がかかるようですが、さぁ作ろうと思ってから、

急げば、30分位でできてしまう料理です。

 

卵の出汁を、漉したりするのも基本ですが、ここはしっかりと

割りほぐした卵に出汁を加えれば良いことにしました。

 

まずは、気軽に作ってみる事。

 

それが1番、大切な事です。 

 

箸よりも泡だて器の方が良いですよ。

 

では、ぜひ、熱々の茶碗蒸し、試して見てくださいね。

 


<<茶わん蒸しの手法>>

茶碗蒸しの手法と言っても、要は生卵を出汁で伸ばして蒸して固める、それだけなんですがその用途は色々な料理に応用されています。

 

イタリア蒸しにも使っていて、簡単に説明する時は丼サイズの茶碗蒸しです、と言う言葉に集約されますが、職人の間では玉地で寄せた一品と言うことになります。

 

茶碗蒸しでありながら、プロの中では少し認識が違う一品なんですね。

 

こう言う料理は他にもありまして、今の時季からドンドン旨くなると言う白子を玉地で蒸した一品があります。

 

「白子蒸し」なんて呼ばれますが、簡単に言えば白子の入った

茶碗蒸しですが、職人によって様々なレシピがある料理です。

 

茶碗蒸しの出汁の中に裏漉しした白子を加え、さらに具としても

白子を碗の中に据えて蒸す・・なんて言うのが多いレシピです。

 

大体の場合、餡掛けにするのですが醤油色の鼈甲餡(べっこうあん)に

仕立てる職人も居れば、色をつけない銀餡に仕立てる職人もいます。

 

また、他にはコノワタを茶碗蒸しに仕立てる場合も多いですよ。

 

小さな蓋付きの珍味の器にコノワタをほんの少し入れて、そこに

茶碗蒸しの出汁・玉地を注ぎます。

 

珍味の器ですからほんの少しです。

 

それを通常の茶碗蒸しのように蒸して、暑い頃なら冷やしの珍味として、

涼しい頃なら、熱々の状態で匙を添えて提供します。

 

コノワタには鶉(うずら)の卵が落としてある事もよくありますね。

 

玉子とコノワタは出会いものなんです。

 

コノワタの風味が玉地全体に滲み出て、優しい味わいの珍味が

出来上がります。

 

と言うように、茶碗蒸しの手法を使った料理の代表例を挙げましたが、

例えば茄子の煮物を器に据えて、玉地を張って蒸した一品や、

珍しい所では豚の角煮を中に据えて玉地で仕上げる、なんて事も

見かけます。

 

煮物を作った時や、渾身のスープや、摺り流しが半端に余った時の

応用料理としても用途は広いです。