筍の木の芽焼は、それはもう、大人の一品です。
筍料理と言うと、煮物か木の芽和えしか思い浮かばない人も
多いことでしょう。
でも、坐唯杏ではもう10数年に渡って、この木の芽焼を提供して
います。
厳密には、もう一品、「若筍蒸し」も地道に続けていますが、
出数で言えば、圧倒的に、この木の芽焼に軍配があがります。
また、シンプルな味付けなので、食べ飽きせず、しかも季節の
香り・和のハーブとも言うべき木の芽、山椒の若芽の香りが
抜群に感性を刺激すると言うわけです。
まず、茹でた筍を硬いところを掃除して、姫皮も茶色くなってる所は
除き、ひと口大に切り分けます。
その筍を天火で炙り、表面の水分を飛ばしたら酒と醤油の割り醤油で
掛け焼にします。
照り焼きのときは、1回目は色づけ、2回目は味付け、3回目に照りを
乗せる、なんて言いますが、この木の芽焼の時は、照りなんか関係
ありません。
だいたい、照焼と言うのはアミノ酸と糖分が反応して起きる現象ですから
糖分のほぼ入らない。割り醤油では難しいのです。
その分、とにかくシンプルに味を乗せながら、綺麗な焦げ目を付けて
行く事だけを考えます。
そして焼き上がりに、叩いた木の芽をまぶしたら完成です。
春の季節、筍の木の芽焼は、「超」がつく人気商品です。
是非、季節には1度は召し上がって頂きたい一品です。