樂旬堂・坐唯杏では毎年9月から白子の提供を始めます。


白子自体は冬の物ですから、9月から白子を使ってる・なんて

和食の職人仲間に言ったら笑われるぐらいの、話です。


ですが、お問い合わせが本当に多いのです。


「白子はやってますか?」

「白子はいつからですか」

「白子を出してよ」


「なんで出さないの」


「早く出しやがれ!」・・って言うのは冗談ですが、




それほど頻繁に白子のお問い合わせが入るんですね。

 

 やはり地道に、良い素材で提供してきた実績かなと言うところです。

 

 

白子は、血の筋や粘膜みたいな物、内蔵の破片が残っていますから、それを綺麗に掃除します。

  

塩を当てて、氷水で締めて・・なんて言う事をする人もいますが

なるべく、何もしません。

 

 逆に何もしなくとも良い素材を仕入れる方向で考えてます。

  

とは言え、もう長いお付き合いの築地の仲買ですから、自然と良い物を優先して坐唯杏に回してくれます。

 

 

少々、値段が高くつく事もありますが、許容範囲を超えない程度に

揃えてくれてます。 

 

掃除をした白子は、ざっと水で洗ったら、湯にくぐらせます。

 

 

・・・そして流水でガンガン晒して、、と言うのは昔の話です。

 

 

そんな事をしたら、白子の味が抜けてしまうんですね。

 

 

今でも、そんな方法で白子を処理する料理人も多いですが、良い物を使ってわざわざ味を抜いてたら、まさに矛盾の極みです。

 

 

良い物はそのまま・・と言うのが1番なんですが、少々、小細工も

使います。

 

 

湯にくぐらせる所を、昆布出汁で処理します。

  

旨味のある水分で表面の火を通す事で、より甘味が感じられます。

  

本当に鮮度の良い白子なら、火を通さずとも・・なんて言う話もよく

出ますが、本当に鮮度の良い白子でも表面に軽く火を入れてやる事で余計に甘味が出るんですね。

 

 

調理と言うのは、適材適所。

 

 

確かに、そのままが良い時もあります。

 

 

でも、例えば鯖のように、刺身で食べられる鯖だから〆鯖にしたら不味いか、と言ったら、そうでは無いんです。

 

 

昔から伝統に伝えられる調理法には必ず理由があるものです。

 

 

本当に良い鰻なら、白焼きよりも蒲焼が旨いと思いますし、本当に旨い鮎が手に入ったら、背越しよりも塩焼きが旨いと思います。

 

 

この場合の白子にも似た事を感じます。

 

 

良い白子こそ、表面には軽く火を入れてやったら、さらに良い味わいを

感じると思うんですね。

 

 

まぁ、確かにこの辺は微妙な所で、人により好き好き、好みの分かれる所かも

しれません。

 

 

とは言え、長年、坐唯杏の白子を支持して下さるお客さまがいらっしゃる訳でして、

武内と同じ、嗜好を持った方が集まってきて下さると思うと、自然、力が

入ると言うものです。

 

 

さて白子の処理に話を戻すと、昆布出汁に少々の塩を加え沸かしておいた所へ

掃除して、ひと口大に切り付けた白子を投入します。

 

 

即、火から外して、余分なお湯をギリギリまで捨てて鍋ごと急激に氷で冷ますのです。

 

 

その間に昆布の旨味が白子の旨味の流出も防いでくれて、味わいの豊かな白子に

仕上げてくれます。

 

 

 

もちろん、そのままポン酢で食べるのも良いのですが、時期的に少々若いので

そのままよりも、天ぷらが良いかと言うところなんですが、白子も個体差が

大きいので、その時々でポン酢でも充分にいける物もあれば、多少物足りないのも

ありまして、、まぁ、その辺が悩ましいところです。

 

 

 

 

<白子天ぷら>