初物礼賛 <アスパラ天ぷらのお話>

樂旬堂・坐唯杏では、もう十年以上に渡って、山形県・最上町のお取引先から山菜やアスパラを仕入れています。

 

今回のアスパラが初物。

 

でも、実は初物のアスパラは、不揃いです…と言うのは、その年の最初に出て来るアスパラは異常に太い物があったり、逆に寸詰まりの物があったりで、なかなかサイズ的に揃わないのが常です。

 

ですが、この不揃いの初物が、1番旨い・・・と言うのは、農家の方から教えて頂いた貴重な情報です。

 

だから、武内は多少不揃いでも、初物は必ず仕入れる様にしています。

 

 

続きを読む 0 コメント

目玉が告げる春 <鯛の巻繊焼>

樂旬堂・坐唯杏の献立では度々、登場する焼物。

 

難しい読みの漢字なので、職人仲間でも、そうそう簡単に読める・書けると言う者は、多くはありません。

 

 

「巻繊焼」のお話をお伝えしましょう。

 

「巻繊焼」で「けんちんやき」と読みます。

 

聞いてみれば、けんちん汁などで、身近な料理、ありふれた名前ではありますが、漢字にすると、なんだか遠い存在に感じます。

 

巻繊と言う料理は、元々は中国伝来の卓袱(しっぽく)料理のひとつです。

 

卓袱料理自体、東京にいると、さほど馴染みはありませんが「卓袱」と言う漢字はテーブルとテーブルクロスを表していて、円卓のテーブルに大皿・中皿・小皿の料理を並べてお出しするスタイルから名づけられたものです。

 

 

続きを読む 0 コメント

嫌われる美味 <筍のチーズ焼>

筍の下処理と言えば、糠と唐辛子を加えた湯で、かなりの長時間火に掛けて茹でてから、そのまま茹で湯に漬けたまま冷まして、しっかりと灰汁を抜く。

 

と言うのが、昔からの鉄則です。

 

とは言え、武内の場合は僅かに感じるえぐみ、灰汁っぽい味わいにも旨味があると感じていまして、その残し具合にこそ筍料理の本質があるとも感じています。

 

筍のチーズ焼き、最近の流行に乗っかった軽い料理に思われがちですが、実はこの本質を巧みに突いた、旨味の増幅がお楽しみ頂ける一品です。

 

逆に、しっかりと灰汁を抜き過ぎた筍で、この品を仕立てても全く魅力を感じません。

 

筍の魅力を増幅するどころか、半減してしまう・・・ある意味、パワーを持った仕立て方です。

 

 

 

続きを読む 0 コメント

新路線 <筍寿司>

筍寿司も、土佐の郷土料理の一つです。

 

寿司の文化が発達した地域ですから、色々な趣向を凝らした寿司があり、その中でも蒟蒻寿司は、武内が最も好きな精進の寿司です。

 

そして筍寿司は、季節感もあり・・今の時季には欠かせない一品です。 

 

とは言え、厳密に言えば筍寿司の場合は、普通に我々が食べる筍とは違う種類の筍を使います。

 

破れる竹と書いて「破竹(はちく)」を使い、そのすらっと長く伸びた形状から棒寿司にと仕立てます。

 

さらには、破竹は遅い時季に出てくる筍なので、今の時分だとややフライングで、しかも寿司に仕立てる破竹は乾燥した干し筍を使うほうが、形もまとまりやすく味わいも好まれます。

 

だから干し筍の新ものが出始める時季と言うと5~6月頃と言うのが筍寿司の最も盛んな時季です。

 

 

続きを読む 0 コメント

遊びの中に、味がある <アジの姿寿司>

本日の仕入れでは、青鯵が十数本ほど入荷しました。

 

真鯵に比べると、多少物足りない素材ではありますが、こう言う品こそ遊びのメニューが提供できます。

 

土佐の郷土料理、姿寿司に仕立ててみる事にしました。

 

頭の骨の中央に最初に切れ目を入れて、そこから背側に包丁を入れます。

 

中骨に沿って、三枚に卸す様に開きますが腹の皮を1枚残して開きの状態にします。

 

そして中骨を下にして骨の内側に、やはり包丁を入れて中骨を外す。

 

 

続きを読む 0 コメント

成りきれば、一品 <鬼蔵蒸し>

オニオングラタンスープの手法で出汁を仕立てて、茶碗蒸しに仕上げてみました。 

 

もちろん、バゲットを浮かべてチーズをてんこ盛りにして蒸し上げます。 

 

仕上げにパルメザンを掛けて、バーナーで少し炙って完成、と言う様な一品です。 

 

イタリア蒸しの仕立て直しから、閃いた一品なので、貝の出汁を豊富に使ってみました。 

 

オニオンソテーと蜆の出汁、案外相性が良いのも、新しい発見でした。 

 

塩と胡椒、それに淡口醤油で味を調えます。 

 

 

続きを読む 0 コメント

宇和島鯛めし

宇和島鯛めしは、鯛のお刺身と合わせる卵ご飯です。

 

今の季節、抜群に旨味の増す天然物の真鯛を刺身に造り、

淡口醤油でヅケにします。

 

もちろん、濃口醤油でもなんら問題はありませんが、淡口醤油の

方が白身の風味をストレートに味わえる点では、武内は淡口を

支持しています。

 

そして山葵や胡麻、刻んだ葱などの薬味を利かせて、生卵と

合わせて炊き立てのご飯、熱々のご飯に載せて食べるだけ・・

 

と言う最も、シンプルにしてニッポンの食文化を代表するかの様な

レシピです。

 

 

続きを読む 0 コメント

ロマネスコのバター蒸し

 

 

 

 

 

 

 

ロマネスコと言う野菜を、ご存知でしょうか。

 

 

カリフラワーとかブロッコリーの仲間で、こんな野菜です。

 

↓↓↓↓↓

続きを読む 0 コメント

浅利と青菜の早煮

坐唯杏では、昔から剥きアサリを使って青菜を早炊きする一品として

この料理を作っていました。

 

 

魯山人師の仕立てたと言う赤貝とセリの早煮も原理は同じです。

 

 

さっと炊いた赤貝の旨味の出汁で、芹を炊いてすぐさま提供する

スタイルです。

 

こう言う煮物を早炊きとか、早煮と言う呼び方をします。

 

 

じっくりと炊いた含め煮も良いですが、早煮こそ青菜や、旬の

野菜の真価を問う仕立て方です。

 

 

 

続きを読む 0 コメント

ハーブ鰊の炙り焼

ハーブ鰊の炙り焼・・・、すみません、ひよったネーミングで

分かりづらいのですが、料理の原型は「鰊漬」です。

 

鰊漬は会津の郷土料理で、何年か前から坐唯杏でも取り組んでいる一品でして、春のこの季節には必ずメニューに入れる一品です。

 

さて、その仕立て方ですが、身欠鰊を米の研ぎ汁に漬けて戻します。

 

 

常温でも大丈夫ですが、顔を出していると匂いが出る可能性も

あるので、しっかり沈めておきます。

 

半乾燥のソフト身欠鰊を使うときは時間も短く済みますが

上乾のカチカチの身欠鰊の時なんかは、2~3日漬ける様に

しないと、上手く戻りません。

 

長めに漬ける時は研ぎ汁を変えながら、じっくりと戻します。

 

 

 

続きを読む 0 コメント

蕗の葉の辛煮

蕗の葉と言うと、捨てられる事も多いかと思いますが、

こういう部分を、一品にする和食のノウハウには、本当に

頭が下がる想いです。

 

しかも、こういう一品が、しみじみ旨く感じられる。

 

美味しく調理するための知恵を残してくれた、先人達の

努力にも感謝ですね。

 

さぁ、さっそく作ってみましょう。

 

まずは、蕗の葉を細かく刻みます。

 

細く・細く、繊切りにします。

 

 

続きを読む 0 コメント

イイダコの煮物

真蛸の柔らか煮と言えば、生のうちに繊維を叩いて壊してとことん柔らかく炊いて仕上げるのですが、イイダコの場合は絶妙な火の入れ具合を目指して、柔らか煮とします。

 

つまり火が入るか、入らないかのギリギリのところを実現する訳です。

 

だから煮ている時間は、ほんの一瞬。

 

そして煮汁の味を調えて、漬けこむ事で味を入れます。

 

真蛸の場合と真逆の考え方で仕上げます。

 

また、イイダコは吸盤の中に墨を吸っている場合がありますからまな板の上に塩を置いて頭を持って、吸盤の中までしっかりと塩を揉み込んでから洗い流します。

 

 

続きを読む 0 コメント

ジャガイモ・バター蒸し(新ジャガ・バター蒸し)

秋の実りの時季・・とは言え、今の季節に新ジャガは基本的には出回っていません。

 

 

 

新ジャガと呼べるのは、冬に植えつけられて春先から夏に掛けて収穫される小粒のジャガイモを指します。

 

 

 

普通のジャガイモなら北海道が一大産地ですが、新ジャガとなると九州が主な産地でして、2~6月にかけて収穫されます。

 

 

 

この収穫時季が、徐々に北上して最後は北海道まで達すると言う産地の北上を新ジャガ前線と呼んだりもします。

 

 

 

 

続きを読む 0 コメント