新銀杏を仕入れまして、今年初の塩煎り銀杏を

メニューに載せます。



固い殻をむき、中の渋皮をむいた時に現れる、翡翠色の新銀杏は

間違いなく季節の便り、秋の味わいです。



さて、塩煎り銀杏ですが、色々な作り方があると思いますが、

坐唯杏の作り方を紹介しておきましょう。



まず、銀杏は硬い殻を割っておきます。



それから小鍋に入れてひたひたの水と多目の塩を加えます。



この時の塩は、目安として飽和食塩水になる程度。



一度は全て水に溶けて、塩の姿はなくなりますが、徐々に

水分が蒸発してくると、塩が結晶になって現れてくる。



その塩を銀杏の殻に纏わり付かせながら、水分を飛ばします。



やがて、粉を吹いたように真っ白になったら完成です。



器に天紙を敷き、煎りあがった銀杏を盛り付けて、客席に

お持ちしますが、ここからはお客さんの仕事になります。



武内としては、こんな面倒な肴はどうか?と、思う時期も

ありましたが、杯を酌み交わす傍ら、ちょこちょこと手を動かし、

相手の銀杏を剥いてあげたりすると、思いのほか、楽しい

時間を過ごせます。



手に付いた塩が銀杏に付くのも、丁度良い塩ッ気となって

良いつまみになりますね。



じっくりと会話や時間を楽しむお酒の楽しみ方。



50歳を目の前にしたから、思い至った心境かもしれませんが。



さて、本日は塩煎り銀杏についてお伝えしました。



坐唯杏、本店・別館ともに、本日からメニューに載ります。


翡翠色の小さな粒の中には、案外、栄養が含まれています。



滋養強壮の一粒、そろそろ夏の疲れが出てきた方には

良いサプリかもしれませんよ。


紅葉や銀杏も色づいてきました。



この時の銀杏は<イチョウ>と読みますが、同じ「銀杏」と書いて、

<ギンナン>とも読みます。



<イチョウ>には「公孫樹」と言う字もありますが、一般に知られているのは

「銀杏」と言う字ではないでしょうか。



和食の世界では、ギンナンの時には銀杏と書き、イチョウの時には公孫樹と

書く風潮があります。



例えば、サツマイモを公孫樹の葉の型に抜き、油で揚げて揚げ物や、八寸、前菜に

添える場合などは「公孫樹丸十」と書いたりします。



銀杏の場合は、そのまま塩煎り銀杏、銀杏掻き揚げ、餅銀杏と書きます。



さて漢字のお勉強は、ほどほどにして食材としての銀杏のお話をしましょう。



銀杏は漢方薬として扱われるほど栄養価の高い、薬効成分も期待できる

優れた食材です。



漢方薬では咳の出る時や、喘息の時などに食べると良いとされていますが、

現代科学での分析によると、違った効果に大いに期待できるとの事です。



例えば、豊富に含まれるβ-カロテンやビタミンCは活性酸素を抑制します。



活性酸素が病気の発病や、癌の発生に関係していますから、癌の抑制になります。



また、豊富なカリウムは塩分を排出し高血圧の予防に効果があります。



ビタミンB1の作用で疲労回復、体力の増強が期待できて、アルカロイドにも

癌抑制効果があります。



また公孫樹の葉のギンコライドという成分には、血流を良くして血栓を防止し

痴呆症の予防にも効果があるとの事。


まさに、栄養の宝庫と言うのが銀杏の特徴です。


とは言え、食べ過ぎると消化不良を起こします。



消化器官の未発達なお子さんなんかには、特に注意が必要と言うわけです。



まぁ、何事もほどほど・・・と言うのが、大切なようでして、



坐唯杏でも塩煎り銀杏を提供していますが、好きな方はお代わりをして、丁寧に

剥いて召し上がっています。



仕事にしろ、スポーツや趣味など、ほどほどの向こう側に「一流」があります。


度を越した仕事バカ、スポーツバカが「一流」の座に就くのです・・・が、




食べ物に関しては、やはり、ほどほどを守ったほうが辛い思いはしなくて良い様です。



ぜひ、適量を守って、存分にお楽しみください。