サプリメントで解決 <小梅のお話>

坐唯杏では、5月の終わりごろになると小梅の仕込みが始まります。

 

小梅の果実酒、小梅のカリカリ漬け。

 

どちらも、大きな梅とは違い、その爽やかな酸味と香りが魅力です。

 

カリカリ漬けは、昔ながらの手法・・と言うのか、塩漬けにする時に卵の殻をガーゼの袋に包んで、一緒に漬ける事で殻のカルシウムの作用でカリカリに仕上げる。

 

そんなやり方を何年も続けていましたが、昨年からまた手法を変えました。

 

サプリメントのカルシウム剤を使って、仕込むようになりました。

 

失敗が無いうえに仕上がりが格段に良い。 

 

 

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祝粉の仕事 <貝汁>

貝のお吸物のお話しです。 

 

今頃の季節はアサリや蛤など、値を下げていますし、良い物が大量に入荷する季節です。 

 

やはり旬の物を味わうって言うのが、経済的でもあり、理にかなってる事です。 

 

無い物を、プレミアを付けて売る、買うってのは、やはりどこか不自然です。 

 

酒も然り。 

 

無い酒を追っかけるのも、武内は好みじゃありませんが、話が逸れました。 

 

蛤やアサリを吸い物にする時は、出汁は使いません。 

 

 

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酒の量に気をつけろ <独活皮のきんぴら>

独活の皮をむいて、乱切りに切りつけたらさっと酢水で洗って良く水気を拭いて、酢味噌を掛ける。

 

もう、それだけでも良い肴になりますね。

 

茹でても良いし、芽の所を天ぷらにしたり、ザクザク刻んで炒めものにしたりと、その風味と特徴のある味わいは、酒の肴には絶好の素材であります。

 

そして、余った皮の所も、我々のような料理屋では、捨てる事はありません。

 

細かい産毛の様な肌と、繊維の固い質感ですが、細く刻んで炒めてからさっと炊くと、思いのほか柔らかい食感になり、とは言え歯応えも

心地よい、絶妙な一品にと生まれ変わります。

 

まずは、細く細く刻みます。

 

それを、胡麻油で炒めて、酒と僅かな味醂、そして濃口醤油を加えて汁気が無くなるぐらいに煮詰めて仕上げます。

 

この時に、牛蒡のきんぴらなんかでしたら、砂糖も加えて醤油は最後まで加えません。

 

酒と砂糖が飴状になって牛蒡にまとわりついてきた時に、最後に醤油を加えます。

 

 

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そこに春の足音 <笹筍と蕗の煮物>

笹筍と言っても、なかなか生の物は一般の八百屋さんでは見かけませんが、水煮になったものや、真空パックに入っている茹でた物なら案外、簡単に探す事が出来ます。

 

生の物なら、先を斜めに切り付けて縦に包丁の切っ先で切れ目を入れたら、糠を加えた湯で茹でて、そのまま冷ます。

 

その後、皮を剥けば売られている水煮の物と同じ状態になります。

 

穂先を残す様に剥いて、柔らかい姫皮と共に煮物にします。

 

糠臭さを抜くために、一度茹でこぼすのは、我々の間では「清湯(きよゆ)」と呼ばれる仕事です。

 

茹でこぼした笹筍を、しっかりと水気を切って出汁に移します。

 

 

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都会で味わう日向灘 <ボラの焼切り>

宮崎県は日向灘の沿岸地域に伝わる郷土料理。

 

本来は初夏から夏にかけての一品ではありますが、寒ボラの美味しい今の季節にも充分に通用する仕立て方です。

 

ボラは三枚に卸して、背と腹に分けたら直火で皮目を炙ります。

 

鰹のたたきに似た手法なので、我々としても得意な仕事です。

 

皮目をパリッと炙ったら、そのまま刺身に造りチリ酢を掛ければたたきで楽しめますが、焼き切りは酢味噌です。

 

この酢味噌は卸した生姜を加えた、生姜酢味噌が地元流。

 

刻んだ葱を薬味にして、酢味噌で食べるボラは我々が仕立てる、葉ニンニクを摺り込んだ緑の酢味噌で食べるブリヌタに通じる感覚があります。

 

とは言え、ブリよりももっと肉質の弾力を感じるボラの味わいには別趣の味わいがあります。

 

炙ったボラを美しく造るのは、また至難の業で・・

 

職人泣かせの仕事ではありますが、良いボラが手に入ったときには必ず頭には浮かぶ、仕立て方であります。

 

 

 

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酒香る時、春薫る <酒寿司>

発祥は薩摩の国、鹿児島県の郷土料理です。

 

島津の殿様の宴の後、残った肴と地酒を使って一緒に、桶に入れておいた所、実に旨い寿司となった・・とか、

 

実は、その由来については定かではなく、一説として伝えられていると言うことです。

 

ただし、南国の春の訪れを告げる南風(はえ)の吹く頃、爛漫の春を満喫させてくれる郷土料理には、間違いありません。

 

戦場食と、災害に備えた保存食を中心に、実益を重んじている薩摩料理には珍しく、華やかにして豪快、豪華な一品です。

 

 

 

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新玉葱の酢味噌掛け

春先の貝の酢の物と言うと、芥子酢味噌を掛けた「ヌタ」を連想されると思います。

 

この芥子酢味噌、いつの時季にも樂旬堂・坐唯杏では多用します。

 

味噌の風味と酸味と甘味、ツンと来る芥子の刺激は食欲を揺さぶります。

 

これから食事、特にお酒の席の突き出しには絶好の一品だと思います。

 

そしてヌタと言えば、長ネギやワケギを茹でた物をあしらえるのが定番です。

 

とは言え、長葱の旬は秋から春に掛けてですから、今の時季には若干、向かない感覚があります。

 

 

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キャベツのビール漬け

ビール漬けと言うと、何だかもったいない気もしますが、我々の商売では、実は飲まれないビールと言うのが大量に出ます。

 

と言うのは、生ビールのサーバーを毎日・毎日、洗浄するからです。

 

樂旬堂・坐唯杏の場合は日本で唯一、琥珀エビスを扱う店にしてパーフェクト・ビアのお墨付きをき、サッポロビールから販売協力店として認定を受けている実績があります。

 

だけに、その品質の維持やジョッキ、サーバーのメンテナンスに至っては細かい約束の下、日々美味しい一杯のために精進しています。

 

と言うわけで、サーバー洗浄の際に出る廃棄ビールを取り置き、漬物に利用する、また煮込み料理や炊き込みご飯に利用するのは課題です。

 

 

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菜花の辛子和え・山葵和え

菜花の辛子和え・山葵(わさび)和えですが、辛子を使う所で山葵を

使えば山葵和え、辛子を使えば辛子和えと言う認識です。 

 

まずは出汁から仕立てましょう。 

 

一回、沸かして冷まさなくてはいけません。

 

時間がかかる仕事から、最初に片づけます。

 

出汁の割合としては水:6、味醂:1、淡口醤油:1で合わせます。

 

まずは味醂を鍋に入れ、沸かします。

 

アルコール分を飛ばして水と淡口醤油を加えたら、昆布を1枚入れて沸騰直前まで沸かしましょう。

 

 

 

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味噌と油がヒモとく、春 <蕗味噌>

まずは、ざっくりと割合を書きますと、

 

 

蕗の薹 ・・・・500

田舎味噌 ・・・300

上白糖 ・・・300

 

最低限の材料ですが、こんな所をご用意してください。

 

蕗の薹は、昔のやり方だと油を塗って炭火で焼きましたが、現在の主流では、丸のまま素揚げにする職人も多いです。

 

その後、粗微塵に刻むわけですが・・ 

 

ご家庭なら、生のまま粗い微塵に刻んでしまって、油で炒めるのが

手っ取り早いやり方です。

 

とにかく、油を吸わせて、独特の苦み・風味を円やかな旨味に変える事。

 

 

 

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鮮セーション・一新 <鱈の子つけ>

鮮度の良い鱈を仕入れて、昆布締めに仕上げて刺身に使う。

 

樂旬堂・坐唯杏でも、時折使う手法です。

 

そのまま刺身にしたら、緩い身がなんとも物足りなく・・味わいも乏しい様に感じる鱈が、別物の様に生まれ変わります。 

 

塩で締めて、昆布の旨味が程よく利いた鱈の身は、昆布の旨味と抜群のハーモニーを奏でつつ、心地よい食感を楽しませてくれる、 

 

実に昆布締めと言う料理法と調和する素材です。 

 

その鱈を、塩を当てて2~3時間馴染ませて、茹でた真子と和えるのが子つけです。

 

三枚に卸して、腹骨を漉き取り、厚みを均一に天身を撥ねたら塩を当たります。

 

鱚だの、小鯛などは繊細な塩加減で塩を回しますが、鱈に限ってはざっくりと粗塩を振り、身の締まるのを待ちます。

 

その間に、鱈の真子・・・卵ですね、薄皮を破り包丁で卵の粒をしごき出したら、茹でてしまいます。

 

バラバラの卵の粒を目の細かい裏漉しの上に載せて水気を切ります。

 

 

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鯛の摺り流し

我々の会席料理の仕事の中には、鯛のすり身を使って仕立てる

本格的な摺り流しの仕事もありますが、本日紹介するのは

その簡易版ともいうべき、気軽に仕立てられる一品です。

 

とは言え、鯛の中骨を焼いて身をほぐし、擂鉢で丹念に摺る・・と言う

普段、ご家庭では滅多にしない様な、仕事をします。

 

プロの仕立てる摺り流しでは、この焼いた中骨から、さらに出汁を

とって、その出汁で仕立てると言う二重の味わいの演出をしますが、

実は、焼いてほぐした身から旨味は充分に滲み出ます。

 

 つまりは、焼いた骨からとった出汁を使わなくても十二分に楽しめる

摺り流しを仕立てる事が出来ます。

 

 

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春の変わり蕎麦がき

蕎麦がき自体が、秋の新そばの時季に紹介するような一品なので、

春の・・と言う冠詞を付けるのが、何だか不自然にも思えますが、 

 

今の時代の蕎麦粉は、年間を通して著しく味わいが落ちると言う

感覚はありません。

 

保存状態も良いですし、品種の改良も進んでほんの一時だった蕎麦の収穫期も、徐々に広がりを見せています。 

 

南半球産の蕎麦粉の輸入もありますし、さらには熟成と言う観念も

出てきまして、新蕎麦の時季だけが蕎麦の旨い時・・・と言う感覚は

大幅に薄れてきた様に感じます。 

 

蕎麦粉については、ほどほどにしまして今回ご紹介するの蕎麦がきは蕎麦がきを練るときに、魚介の叩いた身を混ぜ込む手法です。

 

 

 

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赤貝と芹の早煮(魯山人仕立て)

赤貝と芹の早煮、

なんでも、魯山人先生が昭和三年、久邇宮邦彦親王(昭和天皇后の父上)を北鎌倉の星岡茶寮慶雲閣にお迎えしたときに、庭先から芹を摘んで赤貝と一緒に早煮に仕立ててお出ししたと言われている魯山人料理です。

 

 

さて、作り方ですが。

 

1.赤貝は殻から外して掃除し、2分の1にする。

 

2.芹は湯がいて水でさらし、4cmくらいの長さに切る。

 

3.鰹出汁に酒、塩、薄口醤油で澄し汁より強めの味に調え、

芹、赤貝をサッと煮て器に盛り付け、粉山椒を振る。

・・・とあります。

 

 

 

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ブロッコリー・チャンプルー

たまに、家で肴を作るときに、冷蔵庫にブロッコリーの茹でたのがあると、作る一品です。

 

もちろん、ゴーヤ・チャンプルーが原型ですが、たいして意識はしてません。

 

 

ニンニクをしっかり効かせて、スパム缶を使い、最後に溶き卵を絡ませて仕上げる野菜を楽しむ一品です。

 

 

薄い味に仕上げておいて、ドレッシングやマヨネーズで温サラダ風に楽しむのも美味しいです。

 

 

 

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春菜寿司(しゅんさいずし)

春菜寿司、しゅんさいすしと読みますが、春の山菜を載せた

ちらし寿司です。

 

春のお寿司と言うと・・コンビニの戦略通り?恵方巻きが全国に浸透しました。

 

坐唯杏の前のファミリーマートでも、武内に恵方巻きのチラシをくれる位、頑張って宣伝してます。

 

どのくらい、予約が入るの?って訊いても教えてくれませんでしたが、けっこう、周囲のサラリーマンやOLさん達に人気のようです。

 

 では、坐唯杏も恵方巻を・・と言うと、ひねくれ者の武内としては

そうではありません。

 

 

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イイダコの煮物

真蛸の柔らか煮と言えば、生のうちに繊維を叩いて壊してとことん柔らかく炊いて仕上げるのですが、イイダコの場合は絶妙な火の入れ具合を目指して、柔らか煮とします。

 

つまり火が入るか、入らないかのギリギリのところを実現する訳です。

 

だから煮ている時間は、ほんの一瞬。

 

そして煮汁の味を調えて、漬けこむ事で味を入れます。

 

真蛸の場合と真逆の考え方で仕上げます。

 

また、イイダコは吸盤の中に墨を吸っている場合がありますからまな板の上に塩を置いて頭を持って、吸盤の中までしっかりと塩を揉み込んでから洗い流します。

 

 

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身欠鰊(みがきにしん)の煮物

身欠き鰊には二種類あります。

 

カチカチに干しあがった上乾のものと、半干し位に仕上げた

ソフト干しのものです。

 

煮物にするなら、圧倒的に上乾の物が美味しいのですが、

米の研ぎ汁に漬けて、戻すだけでも2~3日掛かります。

 

我々プロなら、その位の手間は惜しまずに上乾の身欠き鰊を

使わなければいけませんが、ご家庭ではなかなか、そこまでの

時間と手間を掛けられないのが、実際の所でしょう。

 

ソフトの身欠き鰊でも、そこそこには仕上がりますから、

気軽に挑戦してみてください。

 

 

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芹雑炊

芹雑炊と言う事ですが、我々はこういう一品でも鰹出汁に加えて魚の生出汁を使います。 

 

「生出汁」と言う言い方は、聞き慣れないと思いますが、鰹節で引いた出汁、それも何も加えていない味の付いていない鰹出汁を「白出汁(しらだし)」と呼び、 

 

対して、魚の中骨や頭など塩を当てて湯通しし、昆布と酒を加えてじっくりと弱火で煮出した出汁を「生出汁(なまだし)」と言います。 

 

芹雑炊の場合は、この生出汁と白出汁を割って使うのが味わいの良い手法です。

 

とは言え、ご家庭では魚の中骨や頭などが使いたい時に、すんなりと出て来るわけではありませんし、 

 

鰹出汁(白出汁)でさえ、旨味調味料で補っている事が殆どだと思います。 

 

そう言う時は白身魚の切り身を、例えば「チリ蒸し」などに仕上げた時に出る蒸し汁を使う事をオススメします。

 

 

白身魚の切り身を湯通しして、昆布を敷き酒と塩を振りかけ器に入れて蒸します。

 

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木の芽焼

さて「木の芽焼」と言えば、坐唯杏では長年、メニューでお出しして

いる一品があります。

 

「筍の木の芽焼」

 

茹でた筍を酒と醤油の割醤油をかけながら焼いて、仕上がりに叩いた木の芽をまぶす料理です。

 

また、修行時代には、今の季節。

 

必ず、コースの中に入っていた焼物があります。 

 

「桜鯛の木の芽焼」 

 

 

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